難燃処理した木材を現場で貼って集成材を耐火集成材にする

タイトル 難燃処理した木材を現場で貼って集成材を耐火集成材にする
担当機関 (独)森林総合研究所
研究課題名
研究期間
研究担当者 原田 寿郎
上川 大輔
発行年度 2012
要約 耐火集成材のコストダウンを目指し、より簡易な製造方法として、難燃処理木材を後付けする方法を開発しました。この技術は、製造工程を簡略化し、現場施工や既存建物の改修などへの応用を可能にします。
背景・ねらい 耐火集成材は、難燃処理した「燃え止まり層」が無処理の「荷重支持部」を取り囲むように配置した集成材です。これまで、接着剤を用いて難燃処理木材と無処理木材を幅はぎし、あるいは積層して一体的に製造してきましたが、実用化するためには、製造工程の簡略化によるコストダウンや、現場施工、改修への適用などが求められます。そこで、「荷重支持部」と「燃え止まり層」を別々に製造し、「燃え止まり層」を後付けする方法を開発しました。後付け方式の場合、接着剤を使わないネジ留めであっても、ネジの頭を木材中に埋設し、穴に無処理木栓を入れておくことで、火災時にも「荷重支持部」まで炭化することなく、燃え止まります。
成果の内容・特徴

耐火集成材の普及に向けて

木質の柱や梁で耐火構造の認定を受けるには、火災終了後に材料が燃え止まり、柱や梁が壊れないことが必要です。石膏ボードで集成材を被覆すれば、木材を燃えなくすることはできますが、それでは木材が材料の表面に現われません。そこで、木材が見える耐火集成材の開発を期して、これまでに、構造上必要な荷重は、中心部の無処理部分が支え、その周りに、火災時に燃え止まることを期待して難燃薬剤を注入したスギの板材をロの字に配置して集成材に耐火性能を付与する方法を開発し(特許第4958098号)、1時間耐火構造の認定を取得したほか、接合部や壁、床がついた場合の火災安全性の確認や建物の試設計を行ってきました。しかし、実用化に向けては、コストダウン等、一層の改良が求められます。

難燃処理した燃え止まり層のキット化

耐火集成材は、これまで、接着剤を用い、難燃処理した木材と無処理の木材を幅はぎし、あるいは積層して一体的に製造してきました。しかし、燃え止まりを期待する部分をキットにし、後付け方式で施工することができれば、製造コストの削減に加え、建築現場での施工が可能となり、汎用性、施工性が一層、高まります。
そこで、「荷重支持部」と「燃え止まり層」を別々に製造して、後から貼り付ける方法で耐火集成材を製造して耐火試験を行い、その性能を確かめることにしました。

接着せずネジで留めても大丈夫

後付け方式では、「燃え止り層」を「荷重支持部」にネジ留めすることとなりますが、この場合、金属である木ネジを通して熱が内部に伝わり、無処理の「荷重支持部」の木材が炭化するのではないか、また、「燃え止まり層」同士のつなぎ目が開き、そこから内部が燃焼するのではないかといったことが懸念されます。
基本的な固定方法であるネジ留めの仕様について実大および小型耐火炉を用いて加熱試験を行ったところ、木ネジの頭が外に出ていると、荷重支持部は炭化しますが、20㎜以上ネジの頭を木材中に埋設し、ネジ穴を無処理の木材でふさいでおけば「荷重支持層」まで炭化しないこと、「燃え止まり層」のキット同士は、接着剤で接着したり、接合部分に凸部と凹部を設けてかみ合わせたりしなくても、単純に突合せるだけで耐火性能には影響しないことがわかり、後付け方式でも耐火集成材が製造できることが確かめられました。この技術開発により、耐火集成材製造のコストダウンや現場施工が可能になります。

本研究は「予算区分:一般研究費、課題名:木質部材の耐久化・性能向上技術の高度化」による成果です。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026113
カテゴリ コスト 薬剤

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