好塩菌を使ったパーム樹液からの無殺菌バイオプラスチック生産

タイトル 好塩菌を使ったパーム樹液からの無殺菌バイオプラスチック生産
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 荒井隆益
小杉昭彦
D. R. Rathi
K. Sudesh
発行年度 2012
要約 好塩菌を用いパーム樹液から無殺菌バイオプラスチック発酵プロセスを開発した。塩濃度を高めることで制菌し、樹液の腐敗を回避することができる。パーム樹液から安定的に安価にバイオプラスチックを生産することができる。
キーワード オイルパーム、廃棄木、樹液、好塩菌、バイオプラスチック
背景・ねらい 我々はこれまでにオイルパーム廃棄木樹液中に大量の糖が含有していることを見出すとともにバイオプラスチックの一種であるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)生産菌を用いて樹液からPHAを生産できることを明らかにした。樹液はグルコースなどの発酵可能糖の他、各種アミノ酸、ビタミン、ミネラルを含む天然優良培地である。そのため腐敗を起こしやすい。そこで樹液の腐敗を抑え、かつ安価で高効率な発酵法の確立を目指し、至適な塩(NaCl)濃度下において制菌させて発酵させるバイオプラスチック生産菌の利用とそのプロセスを開発した。
成果の内容・特徴
  1. 樹液の主要構成糖はグルコース、スクロース、フラクトースであるが、好塩菌Halomonas sp. SK5(SK5)株はこれらの糖を3%含む培地で培養した時に菌体中にそれぞれ約52%、31%、18%蓄積し、効率的にPHAに変換した。
  2. SK5株の至適な塩(NaCl)濃度を調べた。SK5株は培地中のNaCl濃度が25%まで生育可能であった(図1)。5~10%のNaCl濃度が至適な生育濃度であった。
  3. PHA生産に至適なNaCl濃度は10%であった(表1)。至適なNaCl濃度である5%を含む培地でPHAを生産した時に乾燥菌体重量は3.5g/Lで、その内PHA含量は41%であった。5%~10%濃度のNaClを加えることにより微生物汚染を回避することができる。
  4. パーム廃棄木樹液にNaClを加えPHAの生産を試みた。6.4%の糖を含む樹液にNaCl溶液を1:1に混合した液を作成しPHA生産を試みた結果、乾燥菌体重量は2.8g/Lで、その内PHA含量は44%と高い生産性を得た(表2)。
  5. 樹液と海水を用いてPHAの生産を試みた。海水を用いた場合においても微生物汚染は観られず、PHAを生産することが可能であった(図2)。SK5株の生育および制菌には塩が必要不可欠であるが、実用化におけるコスト削減のために海水(塩濃度約3.5%)を塩の供給源に代用することができる可能性を示した。
成果の活用面・留意点
  1. 菌体内に蓄積されたPHAの回収は、菌体を水洗浄するなど塩濃度を下げることで菌破壊が生じ、簡便にPHAを抽出することができる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026101
カテゴリ 乾燥 コスト

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