熱帯地域における無冷却発酵技術のための耐熱性酵母の分離

タイトル 熱帯地域における無冷却発酵技術のための耐熱性酵母の分離
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 村田善則
荒井隆益
小杉昭彦
森 隆
発行年度 2012
要約 熱帯地域における低コスト燃料エタノール生産技術開発のため、耐熱性酵母の分離を試みる。40℃以上の条件下でエタノールを生産する耐熱性酵母Kluyveromyces marxianusIssatochenkia orientalisを分離した。これらの株はバイオマス糖化液に含まれる発酵阻害物質(弱酸とフラール)に対して耐性を有する。
キーワード バイオエタノール、高温耐性、無冷却エタノール発酵
背景・ねらい 熱帯地域では外気温が高いことから、発酵時には40℃前後まで発酵タンクの温度が上昇する。通常使用されるエタノール発酵酵母(Saccharomyces cerevisiae)には耐熱性がないため高温発酵には適さない。そこで耐熱性酵母Kluyveromyces marxianus(Y2株)およびIssatochenkia orientalis(C19株)を分離した。これらの酵母は高温条件下でエタノール発酵能を有しており、Saccharomyces cerevisiaeよりも高い温度(40度以上)でエタノール発酵することができる。本耐熱性酵母を用いることで冷却なしで発酵が可能であることから、冷却エネルギーの削減につながる。
成果の内容・特徴
  1. 今回分離された耐熱性酵母は、Saccharomyces cerevisiaeよりも高い温度で生育することができ、Y2株は45℃、C19株は42℃の高温条件下で生育およびエタノール発酵することができる(図1AとB)。
  2. Y2株は、耐熱性以外にフラール化合物、特にフルフラールに対しても耐性を有しており、高温発酵条件においても、リグノセルロースバイオマス加水分解物に含まれる発酵阻害物質フラール化合物の影響を受けにくい (図2A)。
  3. C19株は、耐熱性以外に弱酸に対して高い耐性を有するため、リグノセルロースバイオマス加水分解物に含まれる発酵阻害物質、酢酸の影響を受けにくい (図2B)。
  4. バイオマスの種類により糖化液に含まれる阻害物質の濃度も異なるが、異なる阻害物質に対して適したエタノール発酵酵母を選択することができる。
成果の活用面・留意点
  1. C19株のエタノール収率は、Y2株(90%)よりも低い(73%)。そのため、生産されるエタノール濃度がそれと比べて下がる。
  2. Y2株はストレス条件下で培養したとき、エタノール以外に副産物としてグリセリンを生産することがある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026100
カテゴリ 高温耐性 低コスト

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