カワウ追い払いには、人とかかしの共同作業が効果的

タイトル カワウ追い払いには、人とかかしの共同作業が効果的
担当機関 群馬県水産試験場
研究課題名
研究期間 2007~2009
研究担当者 小西浩司
田中英樹
品川卓志
鈴木究真
発行年度 2010
要約 かかしによる効果的な追い払い方法を検討するため、飼育下のカワウを用いて実験を行った。その結果、カワウが過去に受けた強いストレスと結びついた刺激とかかしを組み合わせることで、かかしによるカワウの追い払い効果が高まることが分かった。つまり、かかしを防除具として使用する場合は、花火や銃器などによる追い払いでカワウにストレスを与えた後にかかしを設置するのが効果的である。
背景・ねらい カワウは1980年代以降、生息数が急増し、各地の養殖場や河川湖沼における漁業被害が問題となっている。河川湖沼においては被害軽減対策として重要な漁場からのカワウを追い払いが行われている。しかし、漁場の巡回やロケット花火による追い払いには多大な労力や人件費が必要となる。設置型防除具は設置中の労力はかからないが、かかしなどを単に置いただけでは大きな効果は期待できないとされている。そこで、飼育下のカワウを用いて実験を行い、かかしの追い払い効果を高める方法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. マネキン人形、ヘビ型かかし、玩具のピストル音をカワウに呈示し、その反応を観察したところ、これら単純な刺激に対してはカワウは短期間で慣れ、追い払い効果がなくなることが分かった。
  2. 実験者が目立つ服装(黄色のヘルメット、蛍光色の上着、赤色のチョッキ)を着用し、ソフトエアガンでカワウを射撃した。その後、同じ服装のマネキン人形(射撃者かかし)をカワウに呈示し、反応を観察した。また、対照として地味な作業服を着せたマネキン人形への反応も併せて観察した。作業服のマネキン人形(普通のかかし)に対しては、カワウはほとんど反応を示さなかったが、射撃者かかしに対しては忌避行動を示した。さらに、エアガンの発射音を同時に発生させることにより、より強い忌避行動を示した。さらに試験期間中に実験開始時と同様の方法でカワウを射撃した場合、慣化によって弱くなっていた忌避行動を回復させることができた。
  3. これらのことから、恐怖の経験と結びついたストレス刺激と組み合わせることにより、設置型防除具の効果を高められると考えられた。漁場においては駆除や追い払い作業に従事する人員の服装を目立つ色のチョッキなどで統一し、カワウにその服装と駆除や追い払いを関連づけて記憶させた後、同一の服を着せたかかしを設置する方法が有効と考えられる。
成果の活用面・留意点 カワウのヒトに対する警戒心の違いによって、効果に差が生じる可能性がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025945
カテゴリ 防除

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