Pseudomonas fluorescens W8aによるコムギ立枯病の発病抑制における抗菌物質生産の役割

タイトル Pseudomonas fluorescens W8aによるコムギ立枯病の発病抑制における抗菌物質生産の役割
担当機関 北海道農業試験場
研究課題名
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 コムギ立枯病を抑制する根圏細菌菌株(W8a)のトランスホゾン挿入変異株から選抜したピロールニトリン及び蛍光性物質生産欠失株が拮抗作用及び発病抑制効果を低下することから、これら抗菌物質が生物的防除に重要な役割を有する。
背景・ねらい 畑作物の土壌病害に対し、根圏細菌等の拮抗微生物を利用した生物的防除法の開発が試みられている。本研究においては、コムギ立枯病の抑制に有効な根圏細菌Pseudomonas fluorescens W8a菌株の拮抗機構を知るために、本菌株が生産する抗菌性物質の検出法を開発し、それらの発病抑制における作用特性を明らかにすることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. W8a菌株の生産する抗菌性物質であるピロールニトリン、蛍光物質及びシアン化物の簡易検出法を利用して、W8a菌株にmini-Tn5を挿入して作出した抗菌性物質非生産株を選抜した(表1)。
  2. それらの菌株から抽出したDNAを制限酵素で切断し、サザンプロット解析を行ったところ、どの菌株でも少なくとも1カ所にトランスポゾンの押入が認められた(図1、2)。
  3. コムギ立枯病の抑制効果はピロールニトリンまたは蛍光物質生産欠失株において著しく低下し、シアン化物非生産株においてはやや低下する(図3)。
  4. 種子コーテイングしたいずれの菌株も播種後4週目の根圏に良く定着し、乾燥根重1g当たり1.5×l05~3.7×l08コロニー形成単位で検出され、その菌数は接種菌株以外の他の蛍光細菌とほほ同数であり、総細菌数の0.1~1.5%を占めた。
  5. 以上の結果より、根圏細菌W8a菌株によるコムギ立枯病の生物的防除効果には、本菌株が生産するピロールニトリン及び蛍光性物質が重要な役割をもつことが明らかにされた。
成果の活用面・留意点
  1. コムギ立枯病等の土壌病害の生物的防除法の開発に当たって、ピロールニトリンや蛍光性物質生産性を指標としてコムギ立枯病の生物的防除に有効な根圏細菌菌株の探索に利用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025881
カテゴリ 乾燥 生物的防除 立枯病 播種

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