35.食品中の遺伝子組換え体検知技術

タイトル 35.食品中の遺伝子組換え体検知技術
担当機関 食品総合研究所
研究課題名
研究期間 1999~2003
研究担当者 日野明寛
松岡猛
栗原秀夫
三浦裕仁
日下部裕子
発行年度 2000
要約 遺伝子組換え農産物とその食品に対する表示制度に併せて必要となる遺伝子組換え大豆、トウモロコシの高感度検知法として定性的にはMultiplex PCR法が、定量的にはreal time-PCR法が用いられる。

背景・ねらい 世界的に遺伝子組換え(GM)技術を利用して開発された農作物の実用化が進んでいる。我が国においても、安全性が確認された大豆、トウモロコシ等29種類の商品化が可能となっており、米国、カナダ等から輸入されている。2001年4月からこれらを原料とした食品に対する表示制度が実施されるため、GM農作物の種子及びその加工食品からの組換え遺伝子、またはそれに由来する蛋白質を高感度に検出する技術の開発が望まれている。このため、GM大豆、GMトウモロコシの存在を高感度に検知するMultiplex PCR法を用いた定性分析法、real time-PCR法を用いた定量分析法の開発を行う。
成果の内容・特徴 1.GMトウモロコシ用Multiplex PCR法の開発 
我が国で食品、飼料用として輸入可能なGMトウモロコシ(除草剤耐性トウモロコシ(GA21、T25)、害虫抵抗性トウモロコシ(Event 176、Bt11、MON810))を1回の反応で検知できるMultiplex PCR法を開発する。GMトウモロコシに導入されているDNA配列を解析し、各GM系統とトウモロコシに内在的にあるZe1遺伝子を1回のPCRで特定できるプライマー設計を行う。非組換え体にGMトウモロコシ5系統を混合しMultiplex PCRを行うと、各系統に特異的な長さのバンドが観察でき、検知感度は0.5%程度である(図1)。
2.GM大豆、GMトウモロコシの定量法
食品中から組換え体を検出するには、標準物質としてGM農作物の純粋な種子と、組換え体が含まれていない種子を入手する必要があるが、極めて困難であり、同じ系統の組換え体でも多数の品種があり、どの品種の種子を用いるかで定量値はは変化してしまう。表示の混乱を避けるには、遺伝子組換え体の定量を行う標準的な分析法と標準試料の提供の必要性がある。
我が国で食品、飼料用として輸入可能なGM大豆(除草剤耐性大豆(ラウンドアップレディ))、GMトウモロコシ5系統に特異的に存在するDNA配列及び幅広く使われているDNA配列のCaMV35Spromoter並びにNOSterminator領域、並びに内在性遺伝子のDNA配列の特異性をPCRにより確認し、それらPCR増幅産物をTAクローニング法によりpCR2.1のプラスミド上に統合したGM大豆定量用(pMulSL2)、GMトウモロコシ定量用(pMul5)を作製した。これらのプラスミドを標準物質としてTaqMan Chemistryによるreal time PCRを行い、各GM大豆、GMトウモロコシ系統の純粋な種子中の内在性遺伝子と各DNA配列の分子数比求めた。この比を使用して擬似的にGM種子を0~20%含む試料を作製し、GM大豆、GMトウモロコシの定量を行った(表1~3)。本定量法は0.5%まで安定して測定できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025855
カテゴリ 加工 害虫 飼料用作物 除草剤 大豆 抵抗性 とうもろこし 品種

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