西アフリカサバンナ低湿地における雑草データベースの構築

タイトル 西アフリカサバンナ低湿地における雑草データベースの構築
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2010
研究担当者 坂上潤一
森田弘彦
内野 彰
発行年度 2010
要約 アフリカ氾濫原低地のイネの収量向上に効果的な雑草防除体系を確立するための基盤情報として、低湿地に生育する雑草を同定・分類するとともに、さく葉標本と生植物の画像を作成し、データベース「Plants in lowland savanna of West Africa」を構築した。
キーワード サバンナ、低湿地雑草、生態、データベース、稲作
背景・ねらい 西アフリカの稲作において重要なイネの生育阻害要因である雑草の種と生態についての有力な情報源であったWEEDS OF RICE in West Africa (D.E. Johnson, 1977) が絶版で入手困難であること、対象とする氾濫原低湿地には雑草以外の野生植物も多く生育することから、これらを含めた植物・雑草の同定・分類情報を収集し、活用可能な形で提供することが求められている。そこで、氾濫低湿地におけるイネの収量向上に効果的な雑草防除体系の開発に寄与する目的で、対象地の主要な問題種をはじめとする雑草と植物に関する情報を収集し、雑草のデータベースの構築を目指す。
成果の内容・特徴
  1. ガーナ共和国北部のサバンナ低湿地のイネ作付圃場などで収集した野生植物種を含む主要な雑草種について、A3サイズの高感度スキャナで作成した画像とさく標本をもとに同定を行った。
  2. 雑草種は、
    1. 熱帯アメリカなどを原産とする汎熱帯性の畑雑草
    2. 東南アジアなどの水田に発生する雑草
    3. 熱帯アフリカの低湿地に成育する植物
    4. 熱帯アフリカの畑あるいは草原などに発生する植物
    に区分できた(図1)。圃場ごとに各区分に属す種の構成比率を算出すると、湛水の良否など雑草に関する圃場の特徴を示すことができた(データ略)。
  3. 雑草種の画像、学名、由来、生態情報などをデータベース“Plants in lowland savanna of West Africa”としてとりまとめ、約90種をJIRCASのホームページで公開している(図2、表1)。http://www.jircas.affrc.go.jp/DB/DB06/index.html
  4. 出現頻度、植物体のサイズ、湛水耐性などを考慮して、対象地ではPaspalum scrobiculatum, Acroceras zizanioides, Aspilia paludosa, Melochia corchorifoliaなどが特にイネの雑草として問題になる種と考えられる。また、野生イネの1種(Oryza longistaminata)が対象地に生育しており、既存のイネ圃場で雑草化していることから、今後留意を要する。
  5. 湛水条件下で生育する寄生植物を確認した。半寄生植物Rhamphicarpa fistulosaは、湛水条件下で生育し、対象地ではカヤツリグサ科植物(Fimbristylis属、Cyperus属など)に寄生していた(図3)。文献によるとイネを含むイネ科植物にも寄生するため、今後の動向に留意を要する。
成果の活用面・留意点
  1. 西アフリカの氾濫原低湿地でのイネの作付拡大に伴う雑草や自然植生の把握の基礎的情報として活用できる。対象とする植物の学名により検索可能であるが、所属する科が推定できる場合には「科」の所属種の中から画像などの情報により種名に到達できる。
  2. 今後さらに、未同定種の同定を進めて地域の雑草フロラを正確に把握し、主要な雑草種につき熱帯サバンナの氾濫低湿地環境下での季節や栽培管理を要因とする動態の解析を通して、発生・生育相の把握につとめ、データベースに情報を追加する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025691
カテゴリ 栽培技術 雑草 収量向上 水田 データベース

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