東南アジアの集約的養殖汽水エビから薬剤耐性菌を検出

タイトル 東南アジアの集約的養殖汽水エビから薬剤耐性菌を検出
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2010
研究担当者 矢野 豊
里見正隆
浜野かおる
筒井 功
D. Aue-umneoy
発行年度 2010
要約 東南アジアで集約的養殖されたウシエビおよびバナメイエビに付着した薬剤耐性菌の分布実態を調査したところ、いずれにも薬剤耐性菌が検出され、多剤耐性菌もみられる。薬剤耐性菌の分布はエビへの抗生物質の投薬歴を反映していると考えられる。
キーワード エビ集約養殖池、ウシエビ、バナメイエビ、薬剤耐性菌、多剤耐性
背景・ねらい 東南アジア各国での汽水産エビ類の養殖は、高密度で効率的な飼育を行う集約的養殖が一般的である。現在、この集約的養殖法では様々な感染性疾病が頻発しており、一部では抗生物質の不適切使用も懸念されている。薬剤の不適切使用に伴う薬剤耐性菌の出現と蔓延は、薬剤の有効性を妨げるなど、養殖業における技術的・経済的な問題となっている。本研究では、汽水産エビ類の安定的な生産のために養殖場のエビ付着細菌群集の薬剤耐性実態を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 水産養殖で汎用される薬剤であるオキシテトラサイクリン耐性菌の一般細菌数に対する各池の比率の範囲はバナメイエビが0.3~52.1%、ウシエビが0.008~22.3%である(図1)。
  2. オキシテトラサイクリン耐性菌比率は養殖池間で大きく異なる(図1)。これは飼育するエビへの投与薬剤量の差を表していると推定できる。
  3. オキシテトラサイクリン耐性菌株は魚類病原菌であるAeromonas spp.やLactocuccus garvieae等に近縁である。
  4. 代表的な菌株に対して抗生物質の最小発育阻害濃度を測定したところ、いずれの菌株もオキシテトラサイクリンに対して高い耐性を示す(表1)。
  5. 単離されたオキシテトラサイクリン耐性菌株の約8割が多剤耐性を持っている(表2)。
  6. 東南アジアのエビ養殖場ではフルオロキノロン系やキノロン系の抗菌剤を使用することが多いために、多剤耐性の中でナリジクス酸耐性株の比率が高くなった(表2)と推定される。
成果の活用面・留意点
  1. 薬剤耐性菌数が非常に低い集約養殖池も存在していることから、養殖法を変えることによって耐性菌を減らすことは可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025690
カテゴリ 耐性菌 薬剤 薬剤耐性

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