ヒートポンプ給湯器の温水を熱媒体として利用した穀物乾燥システム

タイトル ヒートポンプ給湯器の温水を熱媒体として利用した穀物乾燥システム
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究課題名
研究期間 2008~2010
研究担当者 日髙靖之
野田崇啓
横江未央
(株)山本製作所
発行年度 2010
要約 ヒートポンプの熱源で加温した温水を熱媒体として循環させ、温水コイルを使った熱交換器により穀物乾燥に必要な熱を取り出す穀物乾燥機。乾燥エネルギは灯油を使った循環式乾燥機と比較して約70%を節減できる。
キーワード ヒートポンプ、穀物乾燥、省エネルギー
背景・ねらい 近年の原油価格の上昇傾向が農業経営に大きく影響していることに加え、農業分野においても温室効果ガスの排出削減に積極的に貢献していくため、農業生産における化石燃料の使用を今後一層抑制していくことが求められている。農業分野では、施設園芸の暖房用を除けば米穀類の乾燥工程における灯油の使用量が最も大きいことから、特に重点的な対策が必要である。近年ヒートポンプの効率が向上するとともに家庭用の機器も市販化され、その利用は一般産業に留まらず身近なものとなりつつある。現状では、導入コストが高いために稼働時間の短い機械での早急な普及には困難な問題はあるが、施設園芸用の暖房装置としての導入例もあり、将来的には農業分野での展開も期待されている。
そこで、穀物乾燥の熱源として利用可能なヒートポンプシステムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本装置は、CO2冷媒ヒートポンプ給湯器(愛称:エコキュート)を熱源として利用したヒートポンプ給湯ユニットと穀物乾燥部へ通風する空気の加熱ユニットおよび穀物乾燥部から構成される(図1)。
  2. 乾燥機に投入するエネルギはすべて電力である(表1)。空調用ヒートポンプの性能は外気温度の影響を受けやすく、15℃以下になると霜取り機能が作動し、乾燥用の熱源として使えなくなるため、本装置は外気の影響を除くため温水を蓄熱媒体とするとともに、この温水を伝熱媒体として循環させ乾燥部の温水コイルで熱交換(総括伝熱係数63kJ/㎡・℃)し、穀物乾燥に必要な熱風を作り出す方式である(図2)。
  3. 本乾燥機で籾を乾燥した場合、胴割れもなく品質良く乾燥が行える(表2)。
  4. 乾燥エネルギ(穀物水分1kgを乾減するのに必要なエネルギ)は、1.68MJ/kg・H2Oであり、灯油を使った循環式乾燥機の平均的な乾燥エネルギ(5.28 MJ/kg・H2O[戸次,1999,農業施設30(2),193-203])と比較して68%のエネルギを節減できる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 籾乾燥での結果であるが、熱風温度の温度設定で小麦等他の穀物でも同様の効果が期待できる。
  2. 灯油を使用しないためCO2排出量を削減できることが見込まれる。
  3. 試作機の段階であるが350万円程度の導入コストがかかる。実用化のためにはヒートポンプを穀物乾燥以外に汎用的に使用し稼働率を上げる等の工夫が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025611
カテゴリ 乾燥 経営管理 コスト 小麦 施設園芸 市販化 省エネ・低コスト化 ヒートポンプ

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