タイトル |
ドリフト低減効果の高い立木果樹用スピードスプレヤー |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究課題名 |
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研究期間 |
2006~2010 |
研究担当者 |
太田智彦
山田祐一
猪之奥康治
吉田隆延
水上智道
宮原佳彦
臼井善彦
金光幹雄
(株)丸山製作所
ヤマホ工業(株)
藤田剛輝
及川耳呂
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発行年度 |
2010 |
要約 |
開発したスピードスプレヤーは傾きを変えることによって風向と園外方向への風速を調節できる導風板、大粒径のドリフト低減ノズルの組合せにより、防除効果を落とすことがなく、ドリフトを大幅に低減できる。
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キーワード |
スピードスプレヤー、ドリフト低減ノズル、回動式導風板、速度連動装置
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背景・ねらい |
リンゴ園における薬剤散布は主にスピードスプレヤー(以下、慣行SS)により行われており、送風を伴って機体側方や上方に薬液を散布している。慣行SSでは園外方向へも大風量で送風するため、園端付近でドリフトが発生しやすくなっていた。そこで、防除効果を落とすことなくドリフトを低減できるスピードスプレヤーの開発を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 開発機は、送風機吹出口部分に2本の電動シリンダにより、リンク機構を動作させ、片側4枚、左右一対の導風板を回動できる送風部を有する。園端からの距離、繁茂程度に合わせ、導風板の傾きを変えることによって、左右の風向や園外方向への風速を調節して散布ができる(図、表1)。開発機にはSS用ドリフト低減ノズル(平成21年度主要成果)が装着され、送風と自然風によって、噴霧粒子が流されにくい。作業速度が変化しても常に設定した散布量を維持できるように、吐出量を自動制御する速度連動装置が組み込まれているので、適正散布量を高精度に散布される。
- 最外列の散布時には、園外側の導風板を最大に傾斜させ、園外方向への送風を抑え、ドリフトを少なくする。2列目から最外樹列と第2樹列を散布するときには園外側の導風板を最大から3/4傾け、風向と園外方向への風速を制御することによって、最外樹列を通して園外へ抜ける薬液のドリフトを少なくする。なお、導風板は運転席のスイッチで操作できる。
- わい化栽培、および、普通栽培リンゴ園で散布したときの開発機の園外ドリフト低減効果は高く(表2)、開発機の付着性能は慣行SSと同等である。
- 農薬の種類、希釈倍率、散布量条件が同じ慣行SS作業と同等の防除効果、出荷可能果実収量が期待できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 2011年度市販化予定である。
- 樹高4m以下、樹列間4.5~8mの立木果樹に適用可能である。
- 強風下で散布しない、過度の散布量としない等、ドリフトに関する基本的な注意事項を守る必要がある。
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カテゴリ |
市販化
出荷調整
自動制御
農薬
防除
薬剤
りんご
わい化
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