醸造原料用カンショ「タマアカネ」の直播栽培技術

タイトル 醸造原料用カンショ「タマアカネ」の直播栽培技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2010
研究担当者 境 哲文
片山健二
甲斐由美
吉永 優
発行年度 2010
要約 萌芽性の劣る「タマアカネ」の直播栽培では、種いもの萌芽処理で初期生育を促進できる。また、挿苗栽培より劣る上いも率および上いも1個重の確保には疎植が有効であり、収量向上にはマルチ栽培が有利である。
キーワード サツマイモ、直播栽培、萌芽処理、マルチ、裁植密度
背景・ねらい 醸造原料用品種「タマアカネ」は、省力化・植付け作業時期分散など、生産規模拡大の点で有利な直播適性を備えるが、現地で直播栽培法を普及するには早期に栽培技術の確立を図る必要がある。「タマアカネ」は萌芽性がやや劣り、直播栽培で上いも率と上いも1個重の低下、ならびに屑いもの増加など商品化率の低下が認められる。そこで、種いもの萌芽処理、マルチ被覆の有無、マルチ資材および栽植密度が萌芽・収量特性等に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 萌芽処理は安価な資材で行うことができ、マルチの種類にかかわらず栽培初期の出芽率向上に有効である(図1)。
  2. 裁植密度およびマルチの有無は出芽率に大きく影響せず、出芽までの所要日数の短縮には透明マルチが有効であり、無マルチ栽培では初期生育が劣る(表1)。
  3. 子いも収量に対する裁植密度の影響は認められないが、マルチ栽培で増収し、屑いも重が減少する(表1)。
  4. 上いも率はマルチ栽培で高めることができる(表1)。上いも1個重は裁植密度が低下するに従い200g以上の比率が増加するが(図2)、無マルチ栽培では裁植密度にかかわらず100g以下の比率が高い(表1、図2)。
  5. 切干歩合に対する裁植密度やマルチの影響は認められないが、無マルチ栽培でβ-カロテン含量は増加する(表1)。
  6. 挿苗栽培と比較し、直播栽培では子いもの縦横比の低下、すなわち形状が細くなる傾向を示す(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 生産農家による「タマアカネ」の直播栽培時に活用し、本品種を用いた直播栽培法の普及を促進する。
  2. 萌芽処理の際、晴天時にはシート内部が40℃を超えることがあるため、シートの開閉にて温度調整を行い、萌芽率低下の原因となる種いもの過乾燥に注意する。
  3. 抑草効果は黒マルチが最も高く、無マルチでは中耕培土、透明マルチでは株元の手取り除草を複数回行う必要がある。
  4. 直播栽培は挿苗栽培より在圃期間が長いため、まれにいもの腐敗がみられる。その際は速やかに除去し、他の収穫物との接触を避ける。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025565
カテゴリ かんしょ 乾燥 規模拡大 栽培技術 収量向上 省力化 直播栽培 除草 品種

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