南九州畑作地帯における冬季露地野菜マルチ栽培の不織布二重被覆栽培法

タイトル 南九州畑作地帯における冬季露地野菜マルチ栽培の不織布二重被覆栽培法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2010
研究担当者 新美 洋
発行年度 2010
要約 南九州畑作地帯において不織布べたがけ、浮きがけの二重被覆は夜間の保温性を高め、春キャベツ、春ダイコンなど冬季露地野菜の低温障害抑制と生育促進に有効である。
キーワード 不織布、キャベツ、ダイコン、保温性
背景・ねらい 南九州内陸部の畑作地帯は冬の日照率が高く、日中の気温が高い一方で、放射冷却による夜間の冷え込みの厳しいことが冬季露地野菜作の導入を困難にしている。一方で近年、簡易な保温技術として、軽量で扱いやすく換気を必要としない長繊維不織布(以降、不織布)のべたがけ栽培が普及している。そこで不織布の利便性を活用するとともに、より一層の保温性を得る方法として不織布二重被覆の効果を検証する。
成果の内容・特徴
  1. 不織布二重被覆(べたがけ+浮きがけ(トンネルがけ)・図1)は単被覆(べたがけまたは浮きがけ)やポリトンネルの単被覆に比べて日没後の気温低下が小さい(図2a)。
  2. 不織布二重被覆は放射冷却が強く夜温が低下する日ほど保温効果が高く、無被覆の日最低気温が-5℃以下の日に限定すると、無被覆より日最低気温は約5℃高い(図2b)。
  3. 凍害と、凍害で誘発される春キャベツの腐敗病が不織布二重被覆で軽減される(図3a)。
  4. 春キャベツ、春ダイコンともに不織布二重被覆は単被覆に比べ生育が促進され、収量が高い(図3b・図4)。
  5. 不織布を二重被覆しても春キャベツ、春ダイコンともに黄化、徒長など日射量低下の影響は見られない。
  6. FRPポール、不織布固定用ピン、洗濯ばさみにより不織布の二重固定が可能で(図1)、管理作業時の開閉や使用後の回収、収納も容易である。10aの敷設所要時間は4名で5時間程度である。
  7. 無被覆、べたがけ、浮きがけ追加と、気温低下に伴い段階的な被覆が可能であり、労力の分散ができる。一方、茎葉の伸長に従い、べたがけを先に回収することができる。
  8. 直射日光に当てることなく保管すれば浮きがけで3作程度使用可能であり、浮きがけに用いて古く劣化した不織布は次作で展張強度を要しないべたがけに使用できる。4作使用した場合の1作当たりの資材コストは10a当たり27000円程度でポリトンネルの単被覆と変わらない。
成果の活用面・留意点
  1. 南九州内陸部、宮崎県都城市および鹿児島県曽於市での結果である。
  2. 早掘りサツマイモなど夏作早植え作型の霜害防止にも活用できる。
  3. 保温性を発揮させるには二重被覆間に空間が必要である。
  4. マルチ栽培に適用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025561
カテゴリ キャベツ コスト だいこん 凍害

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