クサネムの暖地普通期水稲移植栽培における必要除草期間

タイトル クサネムの暖地普通期水稲移植栽培における必要除草期間
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2010
研究担当者 小荒井晃
住吉 正
大段秀記
発行年度 2010
要約 クサネムによる減収、収穫作業阻害、種子混入による玄米品質低下を回避するための必要除草期間は、それぞれ移植後14日、21日、29日間である。畦畔際周辺では中干し期に発生した個体は大量の種子を生産するので中干し期以降も防除する。
キーワード クサネム、田畑共通雑草、必要除草期間、畦畔、雑草害、減収、収穫作業、種子生産
背景・ねらい 近年、直播栽培や輪作体系が導入された水田を中心に田畑共通雑草であるクサネムの発生が問題となってきている。クサネムは湛水土壌中からは出芽しないため、水稲作において発生するクサネムは、入水・代かき後、小節果が発芽した状態で田水面を浮遊しながら、地表面が露出した地点で活着した個体、および中干し期に発生した個体と考えられる。そこで、クサネムの発生時期からクサネムの水稲収量、クサネムの生育・種子生産などに及ぼす影響を調査し、暖地の普通期水稲作におけるクサネムの必要除草期間を策定する。
成果の内容・特徴
  1. クサネムからの距離が50cm以内の水稲株は、クサネムによる雑草害で精玄米重が減少する。それより遠い水稲株は、ほとんど減収しない。また、50cm以内の水稲株も、水稲移植15日以降に発生したクサネムによる減収はほとんどない(図1)。
  2. 水稲移植22日後以降に水稲群落内で発生したクサネムは、主茎基部の長径がコンバインで刈り取ることができる1.5cm以下となる(図2左)。また、減収や収穫作業への障害とならないクサネムは、出穂期の草高が水稲より低い(図2右)。
  3. 水稲移植30日後頃に水稲群落内で発生したクサネムの成熟種子生産数は、4.4個/個体(3か年の平均値。)である。一方、畦畔際など水稲群落外では、中干し期に発生したクサネムは、約800個/個体(未熟種子含む)と大量の種子生産をする(図3)。したがって、畦畔際周辺など水稲群落外のクサネムは、中干し期以降も防除する。
  4. 水稲移植30日後以降に水稲群落内で発生したクサネムは、収穫時にすべてのクサネム種子が収穫物に混入したとしても玄米の検査等級1等の基準を満たす(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. クサネムの防除体系策定の参考資料とする。
  2. 本田内ではクサネムに有効な除草剤、田面の均平化、地表面が露出しない適正な水管理、畦畔際では前述の管理の他に刈り払い、畦畔は登録のある非選択性除草剤、刈り払いなどによって防除する。
  3. 埋土種子数を増加させない観点からの必要除草期間については、別途検討する必要がある。
  4. 本成果は、福岡県筑後市内においてクサネムの発生密度を0.46個体/㎡とした試験によって得られたものである。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025558
カテゴリ 育種 雑草 直播栽培 除草 除草剤 水田 水稲 防除 水管理 輪作体系

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