チューブキャプチャーLAMP法によるウリ類退緑黄化ウイルスの簡易迅速な感染診断

タイトル チューブキャプチャーLAMP法によるウリ類退緑黄化ウイルスの簡易迅速な感染診断
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2010
研究担当者 奥田 充
久保田健嗣
酒井淳一
大貫正俊
発行年度 2010
要約 改変したチューブキャプチャー法によるRNA抽出とCCYVの70kDa熱ショックタンパク質遺伝子領域を特異的に増幅するプライマーを用いたLAMP法を組み合わせることで、ウリ類退緑黄化ウイルスの感染診断を迅速に行える。
キーワード ウリ類退緑黄化ウイルス、LAMP法、感染診断
背景・ねらい ウリ類退緑黄化ウイルス(CCYV)は、タバココナジラミにより媒介される新種のウイルスである。CCYVが感染したメロン、キュウリおよびスイカは、葉が激しく黄化し、果実品質や収量が低下する。本病は現在、九州全県、四国および関東の一部の県などで発生が確認されているが、発生地域は拡大しており、被害軽減のために迅速かつ正確な診断法が必要である。そこで、Loop-mediated isothermal amplification(LAMP)法を用いたDNA増幅によりCCYVを検出する手法を開発し、感染診断に利用する。また、診断のさらなる簡易化と迅速化のために、フェノール等の劇物を利用することなくウイルス粒子をマイクロチューブに物理的に吸着させるチューブキャプチャー法(James, 1999)を改変し、LAMP法と組み合わせたチューブキャプチャーLAMP法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 感染が疑われる葉から、改変したチューブキャプチャー法(図1、図2)により、ウイルスRNAを短時間に抽出できる。
  2. CCYVの熱ショックタンパク質(HSP70h)遺伝子の塩基配列を増幅標的として設計したLAMPプライマー(図2)とRNA増幅試薬キット(栄研化学株式会社)を用いて反応を行うと、CCYV感染植物から抽出したRNAを鋳型とした場合にのみDNA増幅が認められる(図3)。さらに標的領域に適したLoopプライマー(図2)を追加することで、反応速度が向上する(図3)。
  3. 反応液に蛍光・目視検出試薬(栄研化学株式会社)を混合して63℃で60分間反応させた後、反応液に黄緑蛍光が認められた場合、ウリ類退緑黄化ウイルスに感染している(陽性)と判断する(図4)。チューブに波長370mm程度の紫外線を照射することで、より明確に判定できる。
  4. チューブキャプチャーLAMP法により2時間以内に診断が可能となり、検出感度は従来法であるPCR法と比較して同等以上であり、無病徴感染植物からも検出可能である。
成果の活用面・留意点
  1. LAMP反応に用いる恒温槽(インキュベーター)は、市販のサーマルサイクラー、水相または気相のインキュベーター等が利用可能である。また、市販の保温容器も利用可能であるため、診断に要する設備費用を抑えることが出来る。
  2. 反応後の産物が混入することに起因する偽陽性を避けるため、診断後のチューブは開封せず、そのまま破棄すること。
  3. RNA増幅試薬および蛍光・目視検出試薬は、栄研化学株式会社より入手可能である。また、チューブキャプチャー法とLAMP法を組み合わせたウリ類退緑黄化ウイルス検出キット(製品情報記載ホームページhttp://genome.e-mp.jp/products/uri.html)は、株式会社ニッポンジーンより入手可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025551
カテゴリ きゅうり すいか タバココナジラミ メロン

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