紫外線照射は強い抗菌物質であるスコパロンをカンキツ類に生成させる

タイトル 紫外線照射は強い抗菌物質であるスコパロンをカンキツ類に生成させる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2010
研究担当者 國賀 武
根角博久
発行年度 2010
要約 カンキツ類に紫外線を照射した場合、クマリン類のスコパロンが葉および果皮に生成する。スコパロンは他のクマリン類と比べても強い抗菌活性を有している。
キーワード カンキツ類、紫外線、ファイトアレキシン、スコパロン
背景・ねらい 紫外線は、カンキツ類の果皮や葉に抗菌活性を有する物質を生成させることが知られており、果実や樹に紫外線照射を行うことで病虫害防除に役立てることが可能と考えられる。血液凝固阻害作用などの機能性成分を有するクマリン類のスコパロンもそのような抗菌物質のひとつであると考えられている。しかしながらその生成を促す照射条件や、抗菌活性の強さは明確ではない。そこで人為的にカンキツ類に紫外線を照射し、糸状病菌などへの耐病性を付与する技術の基礎知見を得る。
成果の内容・特徴
  1. 9月に樹上から採取した葉に暗所で紫外線(254nm、290μW/cm2、太陽光は25μW/cm2)を10分以上照射すると、ヒュウガナツでは大量のスコパロンが生成される。双方の生成量には差異があり(P<0.05)、シキキツの葉では少ない(図1)。
  2. 12月に収穫したヒュウガナツの果皮に紫外線を照射した場合、葉と比べてスコパロンの生成量はかなり少なく、シキキツの生成量との間にに明確な相違は認められない(P>0.05)(図2)。
  3. スコパロンと類似の官能基を持つクマリン類をポテトデキストロース培地に溶かし、カンキツ類の重要病害である灰色かび病菌(BC)とカンキツ炭疽病菌(CG)を培地に接種し、菌糸生育の50%阻害濃度(IC50)を算出することで抗菌活性を比較すると、スコパロンおよび6,7 dimethoxy 4-methylcoumarinは双方の糸状菌に対して強い抗菌活性(IC50=50~70ppm程度)を有している(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. スコパロンと同程度の抗菌活性を有する6,7 dimethoxy 4-methylcoumarinは一部のキク科植物では存在するが、カンキツ類での生成例は見あたらない。
  2. マルチやハウス栽培など、光環境の変化が起こりうるカンキツ類の施設栽培においても紫外線を利用して耐病性を付与できる可能性がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025544
カテゴリ きく 機能性成分 施設栽培 炭疽病 日向夏 防除 その他のかんきつ

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