日射制御型拍動自動灌水装置の利用による露地夏秋ピーマンの減化学肥料栽培

タイトル 日射制御型拍動自動灌水装置の利用による露地夏秋ピーマンの減化学肥料栽培
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2010
研究担当者 吉川弘恭
中尾誠司
渡邊修一
福嶋 昭
本田 理
沖本さやか
北川真輔
原田和文
発行年度 2010
要約 露地夏秋ピーマン栽培に日射制御型拍動自動灌水装置による点滴灌水同時施肥法を適用すると、畝間灌水・追肥による慣行栽培と比較して、窒素施肥量を30%削減して収量を11~24%増加できる。秀品率が増加し、肥料コストが低減し、平均販売金額が向上する。
キーワード 点滴灌水同時施肥、太陽光発電、減化学肥料栽培、露地夏秋ピーマン、ソーラーポンプ
背景・ねらい 作物に対する過剰な窒素施肥は、水質汚染の原因ともなることから、環境保全を目的として、減化学肥料栽培が奨励されている。養液土耕栽培は施肥量の削減に有効だが、初期投資コストが高額で、水量と水圧が確保された水源が必要なため、露地栽培での適応は限定的である。太陽光発電により駆動するソーラーポンプを利用した日射制御型拍動自動灌水装置(H17年度成果情報)は、日射量に応じて点滴灌水同時施肥を行う装置であり、低コストで露地栽培でも導入しやすく、施肥量を削減しても高品質安定多収栽培を期待できるため、量産できる装置に改良し、露地夏秋ピーマンで減化学肥料栽培を実証する。
成果の内容・特徴
  1. 日射制御型拍動自動灌水装置は、フロートバルブ開閉方式を改良し、上・下限水位センサーと連動した電磁弁の開閉により、貯水タンク(拍動タンク)の貯水と配水が繰り返され、心臓の拍動に類似した間欠的な灌水が行われるようにしたものである。本装置は、少流量の水を蓄積して利用するため、水源の流量が少なく、商用電源がなくても導入可能で、水田転作作物で利用価値が高い。制御装置の開発により、量産化が可能となり低コスト化が可能となる(図1)。
  2. 本装置を利用した点滴灌水同時施肥法によるピーマン栽培は、畝間灌水・畝間追肥による慣行栽培に比較して、収量が10%前後増加し、秀品率が向上する。減肥栽培では、施肥コストも削減できる(表1)。
  3. 複数の農家の同一圃場を区画に分けて、慣行栽培と本装置による30%減肥栽培の比較試験を行うと、本装置の導入により、年次により11%(2008年)~24%(2007年)の増収効果が得られる(図2)。
  4. 兵庫県但東地区における栽培規模1000株以上の生産者12軒のうち、本装置導入農家4軒の平均販売額は2,321千円/10aであり、慣行栽培農家8軒の平均販売額1,886千円/10aに比べて約23%多い。装置導入は、平均販売額の高位平準化に有効である。(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本装置の初期投資費用は、一般的な養液土耕装置の初期投資費用(100万円/10a)と比較し、約1/5の20万円/10a(基本セット12万円+配管チューブ代8万円)程度であり、原水の水質や使用条件によって変わるが、点滴チューブ、ソーラーポンプは3年、その他は10年間使用できる。露地ピーマン栽培では基本セットで約13aまで管理できる。
  2. 本装置を用いた点滴灌水同時施肥は、時間給液量が0.3L/h程度の極微量灌水であり、透水性の高い土壌で効果が高い。
  3. 点滴チューブの目詰まり防止のため、ろ過槽内の不織布フィルターは点検交換する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025504
カテゴリ コスト 水田 施肥 低コスト ピーマン

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