高付加価値食品としての油脂なしパンの創出

タイトル 高付加価値食品としての油脂なしパンの創出
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2010
研究担当者 長澤幸一
田引 正
西尾善太
伊藤美環子
山内宏昭
発行年度 2010
要約 油脂を入れないパンは製パン性が著しく劣るが、60°C加熱で調製したグルテン-グルコース複合体の添加によりそれを改善できる。これより油脂入りのパンと同等の品質でカロリー低減、トランス脂肪酸フリー等の高付加価値なパンの創出が期待できる。
キーワード 小麦タンパク質、メイラード反応、製パン性、油脂、物性
背景・ねらい グルテンと糖を加熱して結合させたグルテン-糖複合体の添加により製パン性が向上することを報告したが、その活用として油脂なしパンへの応用を試みる。パン材料のショートニング、マーガリン不使用によりパンのカロリー低減、心疾患のリスク増大が報告されているトランス脂肪酸の除去ができ、バター不使用により乳アレルゲンフリーが可能になるが、何れも膨らみが悪く、硬いパンになる。そこで、本複合体の品質改良効果を活かし、一般の油脂入りパンに匹敵する品質で上記付加価値のある油脂なしパンの創出を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 60℃加熱により調製したグルテン-グルコース複合体をパン製造時に添加すると、グルテン形成に参入してグルテンネットワークを改質し、生地の伸展性を向上させ、焼成時の釜伸びを良くするように作用する。この効果は製パン性が著しく悪化する油脂なしの条件でも発揮され、パンの比容積は油脂入りのパンに匹敵する(図1)。
  2. 油脂なしの条件でグルテン-グルコース複合体を添加したパンは、比容積の著しい増加に伴い焼成1日後の内相が柔らかくなり、油脂入りのパンと遜色のない食感になる(図2)。
  3. 油脂なしの条件でグルテン-グルコース複合体を添加したパンの内相は、時間が経過しても硬くなりにくい(図3)。
  4. グルテン-グルコース複合体の添加量が増すほど油脂なしパンの比容積向上に効果的である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. グルテン-糖複合体の製造に使用する糖はグルコースの他ラクトースが効果的である。加熱後の状態でも粉末状でも使用できる。
  2. 本報告の具体的データに使用した強力粉は外国産小麦を原料にしたものであるが、強力粉であれば国産小麦を原料にしたものも使用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025433
カテゴリ 高付加価値 小麦

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