グレーンドリルを利用した寒地水稲乾田直播における鎮圧効果

タイトル グレーンドリルを利用した寒地水稲乾田直播における鎮圧効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2010
研究担当者 辻 博之
澁谷幸憲
林 怜史
君和田健二
宮浦寿美
大下泰生
発行年度 2010
要約 寒地水稲乾田直播の播種にグレーンドリルを利用する場合は、必要に応じて事前に鎮圧して矩形板沈下量を10mm以内とし、播種深度を10mm以内とする。さらに播種後も鎮圧を行うことで慣行のロータリシーダを用いた播種と同等の苗立ちと収量が得られる。
キーワード 乾田直播、グレーンドリル、播種深度、鎮圧
背景・ねらい 寒地における乾田直播の播種作業は、砕土性の向上と播種精度を確保するため、ロータリシーダなど乾田直播専用の播種機の使用を前提としていた。しかし、機械コストの低減のために、すでに東北地域で技術として公開されている、麦用のグレーンドリルの乾田直播での利用が望まれている。そこで、グレーンドリルを用いた播種作業において、ロータリシーダと同等の播種深度が得られ、寒地における栽培の安定化に必要な播種条件を検討・整理する。
成果の内容・特徴
  1. 播種後の鎮圧を行うと、播種機の種類によらず、播種深度が10mm以内の時に苗立ち率はおおむね40%(播種量400粒/㎡:乾籾相当11kg/10aの時に160本/㎡程度の苗立ち)を超える (図1)。種子の15%から40%が覆土されずに露出した状態が播種深度5mmから10mmに相当する(図表省略)。
  2. グレーンドリルで直播を行う場合は必要に応じて事前に鎮圧を行い、矩形板沈下量(土壌抵抗測定器SR-2で、50mm×100mm矩形板に50kgfで10秒荷重をかけた時)を10mm以内とする。これにより、播種深度は10mm以下になり(図2)、播種とその後の鎮圧作業による走行跡の轍の沈下は小さくなる。
  3. 播種深度が2mmから11mmで、播種後に鎮圧作業を行った場合、グレーンドリル播種とロータリシーダ播種との間に精玄米収量の有意な差は認められない(図3)。一方、播種後の鎮圧作業を行わない場合の精玄米収量は、鎮圧を行った場合に比べて明らかに低下する。
  4. グレーンドリルを用いる体系の耕起から鎮圧までの作業体系は鎮圧の回数が増えるが、作業時間はロータリシーダを用いる作業体系に比べて短縮される(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. グレーンドリルを用いた水稲乾田直播の苗立ち向上に活用できる。
  2. 矩形板沈下量は、かかとに全体重(60kgから90kg)をかけた際の靴の沈み込みとおおむね等しい。
  3. 極端な多湿条件(体積含水率40%以上)での鎮圧作業はローラへの土壌の付着による種子の攪乱が起こるので避ける。
  4. 本試験は条間12.5cmから20cmで検討を行っており、それ以上の条間については別途検討が必要である。
カテゴリ 寒地 乾田直播 コスト 水稲 播種

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