タイトル |
省力栽培が可能な短側枝性・雌雄同株型メロンF1品種「フェーリア」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1995~2010 |
研究担当者 |
杉山充啓
小原隆由
坂田好輝
吹野伸子
吉岡洋輔
下村晃一郎
小島昭夫
野口裕司
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発行年度 |
2010 |
要約 |
「フェーリア」は、短側枝性で雌雄同株型のF1品種であり、側枝の摘除と余剰果の摘果のための作業を大幅に短縮できる。
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キーワード |
雌雄同株型、省力、短側枝性、メロン
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背景・ねらい |
わが国のメロン栽培では、側枝摘除等の整枝作業に多大な時間と労力を要している。整枝・誘引作業の省力・軽作業化を図る上で、側枝の伸長が抑制される短側枝性はきわめて有用な形質である。 また、わが国におけるほとんどのメロン品種は両性花雄花同株型(雌蕊と雄蕊が併存する両性花と、雄花を着生する)であり、自然着果しやすく、摘果作業に労力を要する。両性花の代わりに雌花が着生する雌雄同株型のメロンを育成することができれば自然着果を減らすことが可能である。 そこで、整枝・誘引作業および余剰果の摘果作業の省力・軽作業化を目的として、短側枝性で雌雄同株型のメロンF1品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 「フェーリア」は、短側枝性で雌雄同株型の固定系統「AnSB-4」を種子親とし、中程度の短側枝性を有する固定系統「AnMP-1」を花粉親とするF1品種である(図1)。
- 「フェーリア」における整枝・誘引作業に要する時間は、「アンデス5号」の慣行栽培に比べて4割~5割程度短縮される(表1)。「フェーリア」は、短側枝性を有し、多くの側枝が途中で伸長を停止するため(図2)、短い側枝の摘除作業は不要である。
- 余剰果の摘果作業は軽減される。「フェーリア」は雌雄同株型であるため、自然着果による余剰果の発生個数が少ない(表1)。
- 果実はやや高球形で、「アンデス5号」に比べやや小さい(表1、図2)。果皮は灰緑色でネットが密に発生する。果肉は淡緑色で、中心部のBrixは「アンデス5号」に比べ高く、食味に優れる。
- うどんこ病レース1、つる割病レース0およびレース2に抵抗性である(データ略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 省力・軽作業化を図るメロンの生産を目的とした地這栽培に適する。
- 高温・強光条件では側枝が伸長し、短側枝性が発揮されないことから、促成および半促成作型に適し、普通作型には適さない。
- 着果枝より下位節から発生する側枝は伸長しやすいので早めに摘除し、着果枝および着果枝より上位節から発生する側枝を放任する栽培方法が推奨される。
- 訪花昆虫による余剰果の発生を減少させるため、交配期間の終了後にすみやかにミツバチを搬出し、ハウスには防虫ネットを展張することが望ましい。
- 「フェーリア」の種子は、種子販売に関する許諾契約が締結された後、民間種苗会社より販売される予定である。
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カテゴリ |
うどんこ病
抵抗性
光条件
品種
ミツバチ
メロン
良食味
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