大粒で種なし栽培が可能な黄緑色ブドウ新品種「サンヴェルデ」

タイトル 大粒で種なし栽培が可能な黄緑色ブドウ新品種「サンヴェルデ」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究課題名
研究期間 1993~2009
研究担当者 佐藤明彦
山田昌彦
三谷宣仁
岩波 宏
上野俊人
白石美樹夫
山根弘康
平川信之
河野 淳
伴 雄介
吉岡美加乃
中島育子
佐藤義彦
間瀬誠子
中野正明
中畝良二
発行年度 2010
要約 ブドウ新品種「サンヴェルデ」は、「ダークリッジ」と「センテニアル」を交雑して育成した大粒で食味良好な黄緑色ブドウである。大粒で、噛み切りやすく硬い肉質を持ち、ジベレリン処理により種なし栽培ができる。
キーワード 新品種、大粒、種なし、黄緑色ブドウ
背景・ねらい 現在国内で栽培されている大粒ブドウは紫黒色の「巨峰」、「ピオーネ」が主体であり、これらの品種は、肉質が塊状の(噛み切りにくい)米国ブドウと、崩壊性の(噛み切りやすい)欧州ブドウの中間の肉質を持つ。ブドウの需要拡大のためには、欧州ブドウの性質である崩壊性で硬い肉質を持つ大粒ブドウ品種の育成が望まれている。また、近年は種なしブドウに対する需要が増えている。そこで、紫黒色で肉質が硬い大粒ブドウ「ダークリッジ」に、黄緑色で崩壊性の肉質を持つ「センテニアル」を交配して、「巨峰」や「ピオーネ」とは異なる黄緑色で、崩壊性で硬い肉質を持ち、なおかつ種なし栽培ができる大粒品種の育成を図る。
成果の内容・特徴
  1. 1993年(平成5年)に果樹試験場安芸津支場(現:農研機構果樹研究所ブドウ・カキ研究拠点)において、「ダークリッジ」(交配時の名称「ブドウ安芸津9号」)に、「センテニアル」を交雑して得られた実生から選抜した系統である。2004年(平成16年)から2009年(平成21年)まで「ブドウ安芸津25号」としてブドウ第11回系統適応性検定試験に供試して特性を検討し、2010年(平成22年)1月の同試験成績検討会(落葉果樹)において新品種候補とした。2010年(平成22年)7月12日に「サンヴェルデ」として品種登録出願し、同年9月15日に出願公表、2011年(平成23年)5月24日に品種登録された。
  2. 樹勢は強く、育成地(広島県東広島市安芸津町)における発芽期および開花期は、「巨峰」や「ピオーネ」とほぼ同時期である。収穫期は8月下旬から9月上旬で、「巨峰」とほぼ同時期ある(表1)。
  3. 果皮色は黄緑で、満開期と満開10~15日後のジベレリン処理により、果粒重が平均14g程度の種なし果実が生産できる(表1、図1)。はく皮は「巨峰」並みで、裂果は「巨峰」と同様にほとんど発生しない。
  4. 糖度は21%程度、酸含量は0.4g/100ml程度になり、「巨峰」、「ピオーネ」より高糖度、低酸含量で、肉質は崩壊性で硬く、渋味がないため食味が優れる。明確な香気はない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 開花後に花冠(花弁の集まり)が離脱しにくいため、果面にコルク状の汚れが生じることがあるが、開花期に花冠を落とすことにより、果面の汚れは軽減できる。
  2. 東北地方南部から九州地方までの「巨峰」栽培地域で栽培可能である。東北地方北部においては、場所により凍害が発生するので注意が必要である。病害虫防除体系は「巨峰」に準ずる。
  3. 短梢栽培の場合、1芽せん定では花芽の着生が不十分な場合があるが、その場合、2芽以上のせん定を行うとよい。
  4. 苗木は2011年秋期より販売される予定である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025196
カテゴリ 新品種 需要拡大 凍害 品種 病害虫防除 ぶどう 良食味

この記事は