イネ科作物の茎部成分変異と糖化効率の関係

タイトル イネ科作物の茎部成分変異と糖化効率の関係
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究課題名
研究期間 2007~2010
研究担当者 荒井裕見子
趙 鋭
井田 仁
吉永悟志
石丸 努
高井俊之
前田英郎
西谷和彦
我有 満
松岡 誠
寺島義文
朴 正一
池 正和
徳安 健
近藤始彦
発行年度 2010
要約 イネ科作物の茎部の非構造性炭水化物含有率と細胞壁成分には、作物及び品種間に大きな違いがある。またリグニン含有率の低いイネおよびソルガムbmr品種は、高いセルロース糖化効率を示す。
キーワード イネ科作物、デンプン、可溶性糖、細胞壁成分、セルロース糖化効率
背景・ねらい 地球温暖化やエネルギーの安定供給の観点から、作物の茎部を利用したバイオエタノール生産が注目されている。エタノール生産効率を向上するためには、茎部成分の変異とリグノセルロース等細胞壁成分の糖化への影響を明らかにし、エタノール生産適性の高い品種を効率的に育成することが重要である。そこで、イネ、サトウキビ、ソルガム茎部について、糖化が容易な非構造性炭水化物 (NSC) の含有率および細胞壁成分に着目して、作物間または品種間の差異を明らかにする。さらに、これらが細胞壁セルロースの糖化効率に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. NSC含有率の平均値は、出穂期のイネ、糖収穫期のソルガム(2回刈り;4月植で8月と11月に採取、1回刈り;4月植で11月に採取)とサトウキビ(4月植えで12月に採取)でほぼ同じであるが、可溶性糖、デンプン含有率には、作物及び品種間で幅広い変異がある(表1)。可溶性糖含有率の平均値は、ソルガムとサトウキビで高く、デンプン含有率の平均値はイネで高い。
  2. 細胞壁成分中のヘミセルロース、セルロース、リグニン含有率をみると、3作物ともセルロースが多く、リグニンが少ない(図1)。作物間差をみると、イネは、サトウキビやソルガムに比べてリグニン含有率が低い。
  3. 細胞壁成分中のセルロース糖化効率は、リグニン含有率が低いほど高まる傾向にある(図2)。イネは、他作物よりリグニン含有率が低く、セルロース糖化効率が高い。
  4. 「九州交4号」はリグニン合成変異を有する褐色中脈変異(brown-midrib, bmr)品種であり、リグニン含有率が低く、セルロース糖化効率が高い。
成果の活用面・留意点
  1. NSC含有率は、栽培管理法やサンプリング時期によっても変動する。
  2. 「九州交4号」の高い糖化効率には、リグニン含有率以外の要因が関わっている可能性がある。
  3. エタノール生産を目的とした作物及び品種の選定の際に参考に出来る。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025194
カテゴリ 栽培技術 さとうきび ソルガム 品種

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