ヨトウガ、オオタバコガ、タマナギンウワバ同時防除を可能にする天敵ウイルス資材

タイトル ヨトウガ、オオタバコガ、タマナギンウワバ同時防除を可能にする天敵ウイルス資材
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2004~2010
研究担当者 後藤千枝
務川重之
小堀陽一
鈴木芳人
発行年度 2010
要約 ヨトウガ核多角体病ウイルス(105多角体数/ml)に顆粒病ウイルス由来タンパク質(13μg/ml)を添加した天敵ウイルス資材はタマナギンウワバに高い殺虫効果を示す。ヨトウガとオオタバコガでは、主成分を1/10、助剤を1/2に減じても同等の効果が得られる。
キーワード 核多角体病ウイルス、顆粒病ウイルス、ヨトウガ、オオタバコガ、タマナギンウワバ、微生物防除剤
背景・ねらい ヨトウガ核多角体病ウイルス(MabrNPV)とシロモンヤガ顆粒病ウイルス(XecnGV)は、人畜に対する高い安全性と低い環境影響という特性を兼ね備えた害虫の天敵ウイルスである。野菜栽培においては、混在して発生することの多い食葉性害虫であるヨトウガ、オオタバコガ、タマナギンウワバの同時防除技術の開発が必要であり、これら3種の幼虫に感染性を持つMabrNPVはその有望な素材である。XecnGV由来のタンパク質(GVPs)にはMabrNPVの感染力増強作用が知られており、これらの組み合わせにより、効果の高い防除剤の作出が可能と考えられる。本研究では、キャベツ苗を用いた生物検定を行い、上記害虫の同時防除に必要なMabrNPVとGVPsの濃度を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. MabrNPV単独接種における2齢幼虫の感受性は、タマナギンウワバが最も低く、その95%致死濃度は3×106多角体数/mlである(表1)。
  2. MabrNPVを104多角体数/mlで単独接種した場合、ヨトウガ、オオタバコガ、タマナギンウワバの致死率はそれぞれ20-40%、40-70%、10%以下であるが(発表論文2、3)、GVPsをそれぞれ6.8、2.5、66.4μg/ml添加すると、95%の致死率を得ることが可能である(表2)。タマナギンウワバでは、MabrNPV濃度を105多角体数/mlにした場合95%致死に必要なGVPsの添加濃度は13μg/mlである(表2)。
  3. MabrNPVにGVPsを添加することにより、資材の生産コストの低減を図ることができる。同等の致死率が得られる条件下では、MabrNPV単独接種とMabrNPV+GVPs接種の間で致死時の齢構成には差がないかまたは後者がやや若くなり、高い防除効果が期待できる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 天敵ウイルスの感染性は紫外線の影響を強く受けるため、製剤化にあたってはUV防御剤の添加等により残効性を高める必要がある。
  2. 天敵ウイルス資材は、農薬登録されるまで試験目的以外に使用することはできない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025163
カテゴリ 害虫 キャベツ コスト 農薬 防除 野菜栽培

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