DAS-ELISA法によるウリ類退緑黄化ウイルスの簡易血清診断法

タイトル DAS-ELISA法によるウリ類退緑黄化ウイルスの簡易血清診断法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2009
研究担当者 久保田健嗣
河野敏郎
奥田充
西八束
宇杉富雄
津田新哉
発行年度 2010
要約 ウリ類退緑黄化ウイルスに対する抗血清を用いて新規に開発したDAS-ELISA検定試薬は、メロン、キュウリ、スイカの各種罹病葉を的確に診断できる。
キーワード CCYV、クリニウイルス、DAS-ELISA、高感度検出、メロン、キュウリ、スイカ
背景・ねらい タバココナジラミ媒介性のウリ類退緑黄化ウイルス(CCYV)は、メロンとキュウリの退緑黄化病およびスイカの退緑えそ病を引き起こす。これまでに、研究機関で多用されている遺伝子診断法(行徳ら、2009)は開発されたが、一方で、営農指導員等生産現場からは既に広く普及している血清学的診断法が求められていた。そこで、DAS-ELISA(double antibody sandwich-enzyme linked immunoassay)法に基づく診断法を開発するため、CCYVのメジャー外被タンパク質(CP)に対する抗血清をもとにしてDAS-ELISA検定試薬を開発した。さらに、感度の高い検出条件等の検討を行い、農業現場での診断技術としての実用性を評価した。
成果の内容・特徴
  1. CCYVのCP全長を、glutathione S-transferase(GST)との融合タンパク質として大腸菌で発現させ、その精製タンパク質を抗原として作製したウサギ抗血清は、ウェスタンブロットでCCYV感染メロン葉からCPを特異的に検出できる(図1)。
  2. DAS-ELISA検定試薬を用いてキュウリ葉をサンプルとして診断を行うと、健全葉での非特異反応はほとんどなく、CCYV感染キュウリ葉からはその10倍程度高い吸光度が得られる。サンプルの希釈倍率は10~100倍が適当である。また、サンプリング部位は黄色斑点葉または退緑斑点葉が最も検出感度が高く、完全に黄化した葉ではやや低くなる(図2)。RT-PCR法と異なり無病徴葉からの検出は困難である(図3)。
  3. 感染葉の磨砕用バッファーにはPBST(0.05%界面活性剤入りリン酸緩衝生理食塩水)を用いる。50mM炭酸緩衝液(pH9.6)や0.5Mクエン酸3ナトリウムでは検出感度が劣る(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本DAS-ELISA検定試薬は(社)日本植物防疫協会から入手できる(1,000検体あたり21,000円)。
  2. 本試薬は、生産圃場において発生するCCYVによるメロン、キュウリの退緑黄化病およびスイカの退緑えそ病の診断に利用できる。本診断法は、既に普及しているDAS-ELISA法が基本であることから、農業改良普及センターや病害虫防除所等営農指導での利用に適している。
  3. 本抗血清は、CCYVと同じクリニウイルス属でキュウリの黄化病を引き起こすビートシュードイエロースウイルス(BPYV)とは反応しない。
  4. サンプル葉として、-80℃で1年間凍結保存した葉も使用できる。
  5. 本抗血清およびDAS-ELSIA試薬はGSTに対する抗体も含むが、診断には影響しない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025112
カテゴリ きゅうり くり 診断技術 すいか タバココナジラミ 病害虫防除 メロン

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