クロマグロ稚魚の棲息場所を発見

タイトル クロマグロ稚魚の棲息場所を発見
担当機関 (独)水産総合研究センター 遠洋水産研究所
研究課題名
研究期間 2007~2009
研究担当者 田邉智唯
発行年度 2009
要約 2009年6月に八重山諸島から沖縄本島沖でLCネットを用いたサンプリングを実施し、これまで採集が困難だった体長20mm前後のクロマグロ稚魚を少なくとも54個体採集した。このうち52個体は、久米島西南西沖70キロの黒潮反流域で採集されたことから、稚魚期に黒潮近くの海域に棲息することが明らかになった。
背景・ねらい クロマグロの資源状態の評価と資源動向の将来予測のためには、可能な限り生活史の早期に加入量を把握する必要がある。しかしながら、加入量を把握するために不可欠である稚魚期の生態は、有効な採集方法が開発されていなかったことからこれまで未解明であった。そこで本研究では、これまで比較的知見の豊富な体長10mm未満の仔魚に続く体長10~20mmの稚魚を対象として、有効な採集方法を見出すとともに、分布の特徴と物理・生物環境を明らかにすることを目指した。
成果の内容・特徴
  • トロール網の1種であるLCネット(開口部10m×10m、網目5mm)を使用して八重山諸島~沖縄島沖12調査点で36回曳網し、ミトコンドリアDNAによる種判別を行った結果、少なくとも54個体のクロマグロ稚魚(体長範囲13.8~30.3mm、平均22.1mm)が採集された(図1、2)。
  • クロマグロ稚魚の全採集個体数のうちの96%は、久米島西南西沖70キロの黒潮流域の沖側、黒潮と反対の西向きの流れが認められる調査点において採集された(図3)。
  • 今回の採集結果に過去のクロマグロ稚魚の出現した海域を併せて検討した結果から、八重山諸島から沖縄島にかけての黒潮流域とその沖側海域は、クロマグロにとって稚魚期の棲息場所となっていることが明らかになった。
成果の活用面・留意点
  • クロマグロ稚魚は、仔魚期に比べて黒潮に近い場所に移動して(または移送されて)おり、成長に伴う棲息場所の変化が示唆された。
  • クロマグロ稚魚の胃内容物分析により、体長15mm前後でカイアシ類食性から魚食性へ転換することが示唆された。
  • 今後は、本研究により得られた手法を活用して、クロマグロ稚魚の成長と生残の関係などを明らかにし、加入までの生態を解明する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025081
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