瀬戸内海の各灘の藻場・干潟分布特性と主要魚種漁獲量との関係解析

タイトル 瀬戸内海の各灘の藻場・干潟分布特性と主要魚種漁獲量との関係解析
担当機関 (独)水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所
研究課題名
研究期間 2006~2008
研究担当者 吉田吾郎
堀 正和
浜口昌巳
崎山一孝
発行年度 2009
要約 漁獲統計の灘区分による瀬戸内海の9灘について、藻場・干潟および10m以浅の浅海域の面積を集計し、主要魚種の漁獲量との相関を解析した。アマモ場やガラモ場とヒラメ、マダイ、クロダイ、アラメ場とアワビ類、干潟とカレイ類など36通りの組み合わせで正の相関が検出された。今後、これらの魚種の生活史と藻場・干潟の接点の解明を進める必要がある。
背景・ねらい 藻場・干潟は多くの水産生物に幼稚仔期の住み場や餌料を提供し、漁業生産に大きく寄与しているとされている。しかし、魚類をはじめ多くの水産生物の藻場・干潟の利用は生活史の一時期に限られているため、それらへの実質的な依存度には不明な点が多く、藻場・干潟の漁業生産機能の定量的な評価を困難にしている。
本研究では既往資料を活用して、漁獲統計の灘区分にしたがった瀬戸内海の9灘(周防灘、伊予灘、安芸灘、備後芸予瀬戸、燧灘、備讃瀬戸、播磨灘、大阪湾、紀伊水道)の藻場・干潟・浅海域(10m以浅)の分布面積を整理した。水産資源の育成における各灘の独立性を仮定した上で、各灘をサンプルとしてこれらの面積と主要魚種漁獲量の相関を解析し、藻場・干潟・浅海域への依存性が高い可能性のある魚種を抽出した。
成果の内容・特徴 環境省(1994)の第4回自然環境保全基礎調査(1989~91年実施)および第2回同調査(1978~79年実施)による瀬戸内海の藻場・干潟面積を、漁獲統計(中国四国農政局統計部 2006)の灘区分をもとにした9灘について集計した。藻場については、全藻場と、アマモ場、ガラモ場、アラメ場の各タイプについても集計した。またGISソフトMapinfoを用いて海洋情報研究センターによる海岸線データ(2007)をもとに、各灘の海域面積と10m以浅の浅海域面積を算出した。藻場・干潟・浅海域の面積データを単位海域面積あたりに換算し(図1)、同様に換算した各灘の主要魚種28項目(魚類計、水産動物計、貝類計含む)の漁獲量(上記の藻場・干潟調査年に該当する期間の平均)との間の相関を、スピアマンの順位相関係数およびピアソンの積率相関係数を求め解析した。正の相関はアマモ場、ガラモ場とヒラメ、マダイ、クロダイ、アラメ場とアワビ類、干潟とカレイ類、貝類計など36通りの組み合わせで、また負の相関は干潟とマアジなど、7通りの組み合わせで検出された(表1、図2)。
成果の活用面・留意点 本解析において正の相関が検出された魚種の多くについては、藻場・干潟もしくはその背景の海域環境に何らかの依存性を有している可能性がある。これらの魚種の生活史と藻場・干潟の接点を探ることにより、藻場・干潟の機能評価の高度化および水産資源育成に必要な環境の保全・再生に資することができる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025064
カテゴリ あま

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