イセエビ幼生における飼育技術の改善により稚エビまでの生残率が飛躍的に向上

タイトル イセエビ幼生における飼育技術の改善により稚エビまでの生残率が飛躍的に向上
担当機関 (独)水産総合研究センター
研究課題名
研究期間 2005~2008
研究担当者 村上恵祐
発行年度 2009
要約 イセエビ幼生の稚エビまでの生残率を現状の10倍に向上することを目的に、幼生の成長及び行動特性を把握し、適正な飼育密度や水勢などの生残に影響を及ぼす飼育環境について検討した。その結果、本種の長い幼生期間を飛躍的に短縮することが可能になり、試験規模の飼育では35~40%の生残率が得られ、500尾以上の稚エビ生産に成功した。
背景・ねらい 南伊豆栽培漁業センターでは、1989年からイセエビ幼生の飼育技術開発に取り組み、2003年までに数十尾の稚エビ生産が可能になったものの、その生残率は0~5%と低く不安定であった。2004年以降には下記プロジェクト研究で生残率20%を目標として、幼生の成長特性や行動特性、適正飼育密度、飼育槽内の水勢、飼育水中のバクテリア制御技術等を検討することにより、幼生の好適飼育環境維持技術の開発を目指した。
成果の内容・特徴 新たに開発した流水式の個別飼育法により、幼生期間の短縮(約300日→200日)や生残率の高位安定を達成した。成長特性では脱皮間隔や成長率、相対成長において体長15mm前後に変曲点があり(図1-1、2)、行動特性では強い光や短波長には正、弱い光や長波長には負の走性を示すことを明らかにした。体長15mm以降の後期幼生で日長を12時間から15時間に長日化することにより、成長促進と生残率の飛躍的向上が認められた(図2)。また、飼育水や餌料中におけるバクテリアの増殖を抑制するための飼育システムを開発し、全幼生期間を通した適正飼育密度や飼育槽内の水勢を把握することで、死亡個体が大きく減少した。その結果、50L規模の飼育試験では生残率35~40%が得られ(図3)、Panulirus属の幼生飼育では過去最高となる500尾以上の稚エビ生産に成功した(図4)。
成果の活用面・留意点
  • 開発した試験規模の幼生飼育方法及び明らかになった相対成長などの成長特性は幼生飼育の評価基準となり得る。
  • 開発した幼生の飼育手法は、これまで飼育困難であった他のイセエビ類幼生だけでなく、他の甲殻類幼生の飼育に応用できることが期待される。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010025029
カテゴリ 飼育技術 評価基準

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