食品中の血糖値上昇抑制物質1-デオキシノジリマイシンの高感度定量法

タイトル 食品中の血糖値上昇抑制物質1-デオキシノジリマイシンの高感度定量法
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2010
研究担当者 吉橋 忠
Do Thi Thu Huong
Patcharee Tungtrakul
Sumitra Boonbumrung
八巻幸二
発行年度 2009
要約 東アジア・東南アジアにおける伝統食品等に含まれ、食事後の血糖値の上昇を抑制する1-デオキシノジリマイシンは、高速陰イオン交換クロマトグラフィー・パルス電流検出法(HPAEC-PAD)を用いて、従来法より簡便に定量することができる。
キーワード 伝統食品、1-デオキシノジリマイシン、HPAEC-PAD
背景・ねらい  1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)は、消化管において糖質分解酵素であるグルコシダーゼに対する阻害剤として働き、食事後の血糖値の上昇を抑制する。DNJは桑葉や中国伝統食品である発酵食品等にも含まれ、初期糖尿病の抑制に有効と推定されている。桑葉を用いた食品など、DNJを含む食品は東アジア・東南アジアにおいて伝統的に生産・消費されており、そのDNJ含量を明記することは、高付加価値化を図るうえで重要である。しかし、従来法の複雑なクロマトグラムからDNJピークの確認は困難である。そのため、より簡便な手法が求められている。
成果の内容・特徴
  1. DNJは、アルカリ性移動相において、高交換容量の陰イオン交換カラムにより、塩基性官能基を持つ弱酸として、他の糖質と効率よく分離される。また、パルス電流検出により、糖質のみを選択的かつ高感度で検出するので、共存する糖質が問題となる加工食品での分析においても、DNJが分離でき、妨害ピークが少ない(図1)。また、分析のための試料処理が水抽出のみで簡便である。
  2. DNJ量5ngから検出・定量が可能で高感度であり、高濃度まで優れた定量性を示す(図2)。
  3. 原理的に他糖質類の共存の影響が少ないことから、桑葉に含まれるDNJだけではなく、他糖質類の共存が問題となる、伝統食品中のDNJ量を測定することができる。溶出されたDNJは質量分析によって確認することもできる。
  4. 中国、タイ及び日本の市販食品のDNJ量を本手法により測定したところ、表1の結果が得られた。
成果の活用面・留意点
  1. 試料に標準品を添加した試料を分析することで、DNJの溶出位置を確認できる。
  2. DNJは加熱処理に対して安定である。このため、DNJを含有する食品を製造する際、加熱がその機能性に影響しないことが示唆される。
  3. 発酵食品中に含まれるDNJ含有量も、分析が十分可能であると推定される。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024997
カテゴリ 加工 機能性 高付加価値

この記事は