自脱型コンバイン用エンジン出力軸トルク測定装置

タイトル 自脱型コンバイン用エンジン出力軸トルク測定装置
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究課題名
研究期間 2006~2008
研究担当者 冨田宗樹
川瀬芳順
高橋弘行
清水一史
千葉大基
杉浦泰郎
積 栄
発行年度 2009
要約 自脱型コンバインのエンジン出力軸トルクを測定する装置である。本装置は、エンジンフライホイールに直接取り付けることにより、これまで困難であったベルト等の摩擦による動力損失を含まない測定を可能としたものであり、また、供試機に大規模な改造を加えずに装着できる。
キーワード 自脱型コンバイン、エンジン、トルク、測定
背景・ねらい 環境負荷低減に寄与する農業機械の開発において、搭載エンジンの実作業時の燃料消費量および排出ガス特性の把握は重要である。これらの評価を作業実態に基づいて実施する手法を開発するには、まず、搭載エンジンの実作業時におけるエンジン出力軸トルク(以下、「トルク」という)の測定が必要である。しかし、これを既存のトルクメータ等により行うためには、測定機器を配置する空間を設けるために大規模な改造を要する。そこで、市販機のエンジンに簡易な方法で直接装着できるトルク測定装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. コンバインは一般に、エンジンのフライホイールに直接取り付けられたプーリが走行部および作業部に至るベルトを駆動する構造である。本装置は、プーリをフライホイールから切り離してプーリの内側に軸を設け、一端をフライホイールに固定し、他端が測定部を通じてプーリを駆動する構造としたものである。フライホイールからプーリまでの動力伝達はボルト結合およびスプラインで行われ、すべりを伴わないため、動力損失のないトルク測定が可能である(図1)。
  2. 本装置の測定部は、動力がスプラインからアームを通じてプーリ固定フランジに伝達される構造である(図2)。測定は、アームが動力を伝達する際に曲げられ、その変形量がトルクに比例することを利用し、ひずみゲージにより行われる。回転体外へのデータ送信にはテレメータ(共和電業製MRT-300A)を用い、リチウム電池(CR-2型)により、約6時間の連続測定が可能である。
  3. 本装置を適用できるコンバインは、概ね3~4条刈で、定格トルクが50~100N・m、測定部を取り付ける部分のプーリ径が110mm以上であり、かつ測定部の装着スペースとしてこのプーリのエンジン側から見た最外側面から軸方向に25mm以上の空間があるものである。
  4. 本装置の装着は、プーリを交換する要領で行うことができ、その他の改造は、ベルトガイド、刈取クラッチワイヤ等が干渉する場合以外不要である。さらに、仕様の異なる供試機に対しては、仕様に応じ製作したフランジ、アダプタおよびプーリと交換することにより装着が可能である。
  5. 本装置を固定した状態で静的に既知のトルクを負荷し、これを測定した結果、測定値は良好な一致および直線性を有しており、負荷トルク0~100N・mの範囲において、決定係数は0.99以上、誤差6%未満、非直線性3%未満である(図3)。
  6. Y社製3条刈コンバイン(定格出力20.6kW/2800rpm)および4条刈コンバイン(定格出力30.9kW/2800rpm)を供試し、生研センター附属農場(品種:彩のかがやき、もみ収量:5.2t/ha)において水稲収穫作業を行い、本装置により異なる作業条件におけるトルクを測定し、無負荷から定格トルクの範囲でトルク計測が問題なく可能であることが確認されている(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本装置により、コンバインの実働負荷が計測でき、機械開発に活用できる。また、生研センターにおいてコンバインの燃料消費量および排出ガス成分に関する評価手法開発に用いる。
  2. コンバイン以外のベルト駆動部における動力測定にも活用が可能である。
  3. 本装置の制作は、生研センターの他、マシニングセンタまたはフライス盤とインデックス、並びにブローチ盤を有する試作工場等で行える。また、条件により必要な技術情報を提供可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024711
カテゴリ 環境負荷低減 機械開発 水稲 品種

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