砂糖とエネルギーの複合生産が可能なサトウキビ新品種「KY01-2044」

タイトル 砂糖とエネルギーの複合生産が可能なサトウキビ新品種「KY01-2044」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 1995~2009
研究担当者 寺島義文
寺内方克
松岡誠
境垣内岳雄
杉本明
服部太一朗
小原聡
照屋寛由
内藤孝
藤崎成博
伊禮信
氏原邦博
発行年度 2009
要約 高バイオマス量サトウキビ新品種「KY01-2044」は、既存の製糖品種より株出しでの全糖収量やバガス収量が飛躍的に多く、多回株出し栽培でも多収である。砂糖・エタノール複合生産等の技術開発に向けたモデル品種として利用できる。
キーワード サトウキビ、株出し、多収、全糖収量、バガス、砂糖・エタノール複合生産
背景・ねらい サトウキビ産業の活性化に向けて、副産物である糖蜜やバガス等の多用途利用が求められている。一方、化石燃料の消費と食料のエネルギーへの転換が問題となる中、食料生産と競合しない低コストなバイオマスエネルギー生産が期待されている。その実現に向けて「砂糖・エタノール複合生産」プロセス(特許第3769734号)等が提案されているが、既存の製糖品種やこれまでに作出した糖含有率が低い高バイオマス量サトウキビ(平成15年度成果情報)では全糖収量が少なく、その実現は難しい。そこで、糖含有率を改良した全糖収量が多い高バイオマス量サトウキビを育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「KY01-2044」は、サトウキビ野生種「Glagah Kloet」と製糖品種「NCo310」との種間交配で作出した糖含有率の低い高バイオマス量サトウキビ「KRSp93-14」(花粉親)を糖含有率の高い製糖品種「NiF3」(種子親)に交配して作出した系統である(図3)。
  2. 南西諸島における株出しでの単位面積当たり地上部乾物重や原料茎重は、既存の製糖品種より大きい(図1)。
  3. 蔗汁ブリックス、蔗汁糖度は製糖品種より低いが、単位面積当たりの全糖収量は多い(表1、図1)。
  4. 繊維分が高いためバガス収量が多く、バガスの燃焼で得られるエネルギーは製糖品種より多い(表1、図1)。
  5. 萌芽が優れるため、多回株出しでも製糖品種より原料茎重が大きい(表1、図2)。
  6. 「砂糖・エタノール複合生産」プロセスを利用することで、現状と同程度の砂糖を生産しながら、エタノールを大量に生産し、バガス燃焼によりプロセスすべてのエネルギーを賄うことが可能である(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 南西諸島地域における「砂糖・エタノール複合生産」等の実用化に向けた技術開発および大規模実証のためのモデル品種として適する。
  2. 糖含有率が低く、繊維分が高いことから砂糖のみを生産する製糖工場での利用には適さない。
  3. 黒穂病抵抗性が劣ることから(表1)、植付け時には苗消毒を行うとともに、発生した場合は株の抜き取り等に努める。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024675
カテゴリ さとうきび 新品種 抵抗性 低コスト バイオマスエネルギー 品種

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