端境期に新そばを供給できる沖縄の新規作物そばの栽培法

タイトル 端境期に新そばを供給できる沖縄の新規作物そばの栽培法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2005~2009
研究担当者 原 貴洋
生駒泰基
照屋寛由
前里和洋
荒川祐介
土屋史紀
吉永育生
住 秀和
塩野隆弘
道山弘康
松井勝弘
手塚隆久
高嶺(山口)典子
発行年度 2009
要約 沖縄においては、「さちいずみ」等のそばを3月播種、5月収穫すると、台風害を回避し、端境期の夏季に食味に優れる新そばを供給できる。極強酸性土壌で既存産地並の収量を得るためには1t/10aの堆肥施用を要する。
キーワード そば、沖縄、国頭マージ、酸性土壌、島尻マージ、さちいずみ、食味
背景・ねらい 国産そばは台風害や湿害などにより作柄が安定せず、気象災害を回避した安定供給体制の構築が強く求められている。南西諸島ではそばが作付けされていないが、その温暖な気候を活かし、台風が少ない晩秋~初夏にそばを安定栽培できる可能性がある。特に、収穫期が5月頃となる3月頃播種の作型確立は、端境期となる夏季に日本一早い新そばを安定供給できると期待される。南西諸島の中で国頭マージ地域は、土地利用型農業が展開しそばの栽培の導入が見込めるものの、強酸性の土壌特性により生育が劣る。条件の劣悪な国頭マージでも既存産地並の収量を得られる栽培方法を確立できれば、他の地域への導入が容易である。そこで、国頭マージ地域の3~5月の栽培期間を中心に、台風害を回避したそばの栽培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 国頭マージにおいては、基肥の化成肥料は既存慣行栽培と同じ窒素:リン酸:カリ=4:8:6kg/10aを標準とするが(表3)、増肥による増収効果は小さい(表1)。
  2. 国頭マージにおいては、条播による播種量は既存慣行栽培と同じ5kg/10aを標準とするが(表3)、播種量を高めても有意な増収効果は得られない(表1)。
  3. 極強酸性の国頭マージにおいては化成肥料のみによる肥培管理では生育が著しく劣るが、1t/10aの堆肥を施用すれば既存産地と同等の100kg/10a程度の収量が得られる(表1、表3)。
  4. 弱アルカリで排水性の良い島尻マージでは、既存慣行栽培と同じ窒素:リン酸:カリ=4:8:6kg/10aの化成肥料の基肥施用により、既存産地と同等の100kg/10a程度の収量が得られる(表3)。
  5. 3月播種~5月収穫体系では中間秋型品種の「さちいずみ」が多収である(表2、表3)。
  6. 端境期となる夏季に供するそばとして、沖縄で5~6月に収穫された「さちいずみ」の食味は優れる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 沖縄の島尻マージ、国頭マージ地帯へ適応できる。
  2. 沖縄では10月~4月播種の栽培が可能で多様な体系が組めるが、10~2月播種栽培には秋型品種、4月の播種栽培には、「春のいぶき」等の中間夏型品種を加えて適品種を選定することが望ましい。
  3. 収穫適期は既存産地と同様に5~8割の子実が成熟の黒色となった時期である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024667
カテゴリ 栽培技術 しそ 湿害 そば 排水性 播種 肥培管理 品種 良食味

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