ブロイラーはレイヤーより骨格筋のアトロジン-1遺伝子発現が低下している

タイトル ブロイラーはレイヤーより骨格筋のアトロジン-1遺伝子発現が低下している
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2006~2009
研究担当者 中島一喜
石田藍子
勝俣昌也
発行年度 2009
要約 ブロイラーは、レイヤーと比べて成長速度が速く、骨格筋重量も大きい。これは、骨格筋におけるタンパク質関連遺伝子であるアトロジン-1の発現量が、ブロイラーにおいてレイヤーより低いことに起因するタンパク質分解速度の差異によるものである。
キーワード ブロイラー、レイヤー、骨格筋、アトロジン-1、プロテアソームC2サブユニット
背景・ねらい ブロイラーは、レイヤーと比べて2倍以上速く成長し、骨格筋量も3倍以上大きい。成長が速く飼料効率が高い個体の育種選抜を繰り返した結果、このように骨格筋量が大きいニワトリが作出された。一方で、効率的な卵生産を目的として選抜されたレイヤーは骨格筋量が小さい。ブロイラーの骨格筋量が大きいのは、明らかに育種改良の成果であるが、その機構については遺伝子発現レベルでの十分な説明はできていない。このメカニズムが明らかになれば、さらに効率的なブロイラーの生産が可能になると考えられる。そこで、ニワトリの骨格筋量を制御するメカニズムを解明するために、骨格筋におけるタンパク質分解関連遺伝子発現をブロイラーとレイヤーで比較する。
成果の内容・特徴
  1. 7および14日齢の雄ブロイラー(チャンキー)ならびにレイヤー(白色レグホーン)の体重は、どちらの日齢でもブロイラーの方が大きい (P<0.01)。
  2. 7および14日齢のブロイラーならびにレイヤーの浅胸筋重量は、どちらの日齢でもブロイラーの方が大きい(図1, P<0.01)。
  3. タンパク質分解関連遺伝子であるアトロジン-1ならびにプロテアソームC2サブユニットの浅胸筋における発現量は、ブロイラーの方がレイヤーに比べて低く、特にアトロジン-1の差異が大きい(図2)
  4. 他のタンパク質分解関連遺伝子(ユビキチン、カルパイン、カテプシン、カスパーゼ)発現に関しては、ブロイラーとレイヤーに差はない。
  5. ブロイラーとレイヤーの骨格筋重量の違いは、タンパク質分解関連遺伝子のアトロジン-1発現の違いである可能性が示唆される。
成果の活用面・留意点
  1. ブロイラーとレイヤーの骨格筋重量の違いは、骨格筋におけるタンパク質の蓄積ならびに成長を促進する飼養技術開発のための基礎的知見として活用できる。
  2. タンパク質合成に関わる遺伝子発現も関与している可能性があるので、今後、検討する必要がある。
  3. 本研究は浅胸筋を用いた研究であり、もも肉でも検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024417
カテゴリ 育種 飼料効率

この記事は