タイトル |
乳牛におけるイネホールクロップサイレージの可消化養分総量と粗飼料価指数 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究課題名 |
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研究期間 |
2004~2008 |
研究担当者 |
樋口浩二
田鎖直澄
野中最子
田島 清
藪元悠介
都丸友久
大谷文博
小林洋介
石川哲也
栗原光規
永西 修
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発行年度 |
2009 |
要約 |
各種イネホールクロップサイレージを乳牛に給与した場合の可消化養分総量は47~55%、粗飼料価指数は56~95(分/kg乾物)である。これらは代表的な輸入粗飼料であるチモシー乾草と同程度である。
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キーワード |
イネホールクロップサイレージ、乳牛、可消化養分総量、粗飼料価指数
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背景・ねらい |
イネホールクロップサイレージは穀実とケイ酸含量が高く難消化性の茎葉からなり、他の牧草・飼料作物とは異なる栄養特性を有している。そこで、イネホールクロップサイレージの繊維および非繊維性炭水化物の利用特性、可消化養分総量(TDN)ならびに総咀嚼時間(粗飼料価指数、RVI)を、他の粗飼料資源との比較により明確にする。
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成果の内容・特徴 |
- 乾乳牛のべ45頭(体重631±57kg)(平均値±標準偏差)に維持量程度のイネホールクロップサイレージを給与する消化試験を実施し咀嚼時間を測定した結果である。その際、熟期、品種、収穫機械等の条件が異なるイネホールクロップサイレージを供試し、トウモロコシサイレージ(ナスホマレ、黄熟期刈取、切断長9mm)およびチモシー乾草(輸入、出穂後期から開花期のもの、切断長2~3cm)を対照としている。なお、給与飼料の粗タンパク質含量は12%程度になるよう大豆粕あるいは尿素を添加している。
- トウモロコシサイレージは可消化中性デタージェント繊維(NDF)および可消化非繊維性炭水化物(NFC)含量に富み、TDN含量は70%程度と高い栄養価を示す。輸入チモシー乾草のTDN含量は55%程度で、可消化NDFで大部分構成される。一方、イネホールクロップサイレージのTDN含量は47~55%の範囲である(図1)。
- イネの登熟に従い可消化NDF含量は減少、可消化NFC含量は増加する。イネの可消化NFC含量が高いとTDN含量も高くなる傾向を示す。一方、クサホナミのような可消化NDF含量の高い高TDN品種もある(図1)。
- イネホールクロップサイレージのRVIは56~95(分/kg乾物摂取量)の範囲であり、平均値(76)はチモシー乾草とほぼ同程度である(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- RVIを加味したイネホールクロップサイレージの飼料設計の参考になる。
- 本結果は、乾乳牛に維持量程度のイネホールクロップサーレージを給与して得られた成果であるため、生産水準の給与を行う場合にはTDNの低下が見込まれる点に留意する。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024414 |
カテゴリ |
収穫機
飼料設計
飼料作物
大豆粕
トウモロコシサイレージ
なす
乳牛
品種
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