酪農場におけるNPK3元素の利用と循環程度

タイトル 酪農場におけるNPK3元素の利用と循環程度
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2000~2009
研究担当者 小林良次
山田明央
広岡博之
田端祐介
張建国
野中和久
加茂幹男
早坂貴代史
青木康浩
河本英憲
下名迫寛
喜田環樹
小川増弘
宮地慎
発行年度 2009
要約 酪農場では搬入される3元素(N、P、K)の概ね20~25%が利用される。農場内部の部門によって余剰・損失量(搬入量-搬出量)は異なる。NとKでは、農場内部における元素の循環程度を示す循環指標と農場全体での元素利用効率は正の有意な相関を示す。
キーワード 酪農、窒素、カリウム、循環指標、利用効率
背景・ねらい 酪農における畜産環境問題の改善や生産性の向上には、酪農場全体での元素利用効率を高めることが有効と考えられる。そのためには、農場内部をいくつかの部門に分け、元素の利用および循環の実態を詳細に解明する必要がある。しかし、酪農場の内部にまで及ぶ元素動態の長期・実規模調査や元素循環の数値化がこれまでほとんど行われていないため、問題のある部門の特定、元素の循環程度と利用効率との関係が実証的に明示されたことはない。そこで、窒素等の3元素について、畜草研那須研究拠点の実験酪農場における調査結果をもとに農場内部に着目して元素の動態を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 解析の対象とした実験酪農場(畜草研那須研究拠点内)は4部門(飼料畑、サイロ、牛舎、堆肥・スラリー施設)で構成される(図1)。搬入された元素の一部は農場内でこれら部門間を循環する。元素利用効率と循環指標は図1に示す方法で算出する。
  2. 元素利用効率は酪農場に搬入された元素がどの程度効率的に生産物等に利用されたかを示す。循環指標は循環の程度を表し、ある部門から出発した元素量のうち内部を1周回って元の部門に戻る量の割合を示す(0から1の値)。
  3. 酪農場に投入されたN:P:Kは504:119:242kg/ha/年であり、農場全体の元素利用効率は0.25:0.19:0.18である(図1)。
  4. 酪農場内部の部門別の余剰・損失量(搬入量-搬出量)は、Nでは堆肥・スラリー施設、Pでは飼料畑で最も多く、Kは堆肥・スラリー施設やサイロで多い(図2)。
  5. 酪農場においてはNとKにおいて、循環指標と農場全体の元素利用効率は有意な正の相関を示しており、現実の変動範囲では循環指標が大きいほど元素利用効率は高い(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 酪農における3元素の循環実態を示す資料として活用でき、生産現場等に対して利用効率の向上にむけて注意すべき部門を示すのに有用である。また、酪農におけるNとKの循環と利用効率の向上が両立することを簡単な形で示すことができる。
  2. 本成果は、約11haの飼料生産圃場、約30頭の搾乳牛、ふん尿のスラリー・堆肥化処理併用、地下サイロによるサイレージ調製の条件で得られた5年間のデータを解析したものである。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024400
カテゴリ 乳牛

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