短葉性ネギ品種「ふゆわらべ」

タイトル 短葉性ネギ品種「ふゆわらべ」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2000~2008
研究担当者 若生忠幸
小島昭夫
山下謙一郎
塚崎 光
小原隆由
坂田好輝
発行年度 2009
要約 「ふゆわらべ」は、葉身および葉鞘が短く、肥大が旺盛で、軟らかく辛味の少ない食味特性を有するネギの合成品種である。
キーワード ネギ、短葉性、食味、省力、合成品種
背景・ねらい ネギは通常、軟白した葉鞘部を30cm以上確保するため5、6回の土寄せを必要とし、栽培期間が8か月~1年と長期に及び、病虫害や気象災害の影響を受けやすい。一方、消費場面では、持ち運びや収納が容易で少人数でも消費しやすい小型のネギおよび軟らかく食味の良いネギへのニーズも高まっている。そこで、収穫までの期間が短く土寄せ作業等の省力化が図れるように、葉が短く肥大旺盛な特性を有し、さらに辛味が少なく、葉身も軟らかく葉鞘とともに利用できる良食味のネギ品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「ふゆわらべ」は、下仁田/九条交雑系(JP219391)から選抜した短葉で辛味が少なく分げつ発生頻度の低い個体と「余目一本太」、「元蔵」、「冬帝」、「金長」および「越津」の各自殖次代を相互交雑した集団冬帝4s-TB-1から選抜した草勢が旺盛でやや短葉の個体を交雑後、F3世代で選抜した4系統を相互交雑することによって育成した合成品種である(図1)。合成第2代(Syn2)以降は集団採種により維持・増殖されている。
  2. 「ふゆわらべ」は、夏まき冬どり栽培では播種後約6か月、2回程度の土寄せ後、葉鞘長20~25cmに達した時に収穫する(表1、図2)。同期間に栽培した一般的な根深ネギ品種の「元蔵」およびやや短葉の「なべちゃん」は収穫適期に達しないが、「ふゆわらべ」はこれらの品種より葉身および葉鞘が短く、葉鞘の肥大は旺盛であり、地上部生重および総収量も多い(表1)。
  3. 「ふゆわらべ」は、「元蔵」と比較して葉色がやや淡く、葉表面のろう質はやや少なく、葉折れ程度も少ない。葉身分岐部の締まりは「元蔵」と同程度であるが、「下仁田」、「なべちゃん」よりも優れる(表1)。
  4. 「ふゆわらべ」は、葉身部および葉鞘部ともに辛味程度の指標であるピルビン酸生成量が「下仁田」、「なべちゃん」および「元蔵」よりも低い。また食感における硬さ、すじっぽさの指標である破断強度も「なべちゃん」および「元蔵」よりも低い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 短葉鞘で収穫することにより、従来の根深ネギより土寄せ回数が少なく、短期間での栽培が可能である。
  2. 小型で葉身部まで利用する新しいタイプの根深ネギとして活用できる。
  3. 関東以南における夏まき冬どり栽培に適し、春まき秋どり栽培では収量および収穫物の揃いがやや劣る。
  4. 肥大が旺盛なので、収穫が遅れると葉身や葉鞘部が裂けることがある。また、分げつ株がわずかに発生する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024366
カテゴリ 省力化 ねぎ 播種 品種 良食味

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