キンギョソウの副花冠の発達におけるホメオティック遺伝子の役割

タイトル キンギョソウの副花冠の発達におけるホメオティック遺伝子の役割
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 2003~2006
研究担当者 山口博康
仁木智哉
仁木朋子
西島隆明
発行年度 2009
要約 キンギョソウの副花冠は雄ずいの托葉に由来する。同じ花輪(whorl)内の葯、花糸、副花冠にかけて、ホメオティック遺伝子の発現が、それぞれ雄ずい型、雄ずいと花弁の中間型、花弁型に連続的に移行することにより、副花冠が花弁状に発達する。
キーワード 副花冠、ホメオティック遺伝子、キンギョソウ
背景・ねらい 副花冠は、キンギョソウ、スイセン、トケイソウ、トウワタなどに見られ、花に独特の魅力をもたらしている。しかし、副花冠を持つ植物は上記のようなわずかの種に限られる。従って、副花冠を持たない種に副花冠を誘導できれば、イメージを一新するような新たな観賞性を付与することができると予想される。副花冠は、雄ずいの托葉(スイセン)や花托(トケイソウ)が花弁状に発達したものとされているが、本来花弁ではない器官がなぜ花弁状に発達するのかは明らかにされていない。本研究では、キンギョソウの副花冠の発達に及ぼすホメオティック遺伝子の役割をABC理論に基づいて解析し、副花冠を誘導する技術の開発に資することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. キンギョソウの副花冠は雄ずいの托葉に由来する器官であり、雄ずいと同じ花輪(whorl)に属する。発達した副花冠の基部は雄ずいの基部と融合し、器官の複合体を形成する(図1)。
  2. 発達した花芽では、雄ずいと副花冠からなる器官の複合体において、ホメオティック遺伝子(クラスA遺伝子:SQUAMOSA(SQUA)、クラスB遺伝子:DEFICIENS(DEF), GLOBOSA(GLO)、クラスC遺伝子:PLENA(PLE), FARINELLI(FAR))の発現パターンが、葯では雄ずい型、花糸では雄ずいと花弁の中間型、副花冠では花弁型に連続的に移行する(図2)。
  3. 副花冠におけるこのようなホメオティック遺伝子の発現パターンは、原基の段階では認められない。
  4. 以上から、同じ花輪内でのホメオティック遺伝子の発現パターンの移行が、副花冠が花弁状に発達する原因であり、その発現パターンは、副花冠の発達過程で確立されることが明らかとなった。
成果の活用面・留意点
  1. 副花冠を誘導する技術開発のための基礎的知見となる。
  2. 他の種における副花冠形成機構の解明に役立つ。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024352
カテゴリ すいせん わた

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