デルフィニジン型アントシアニンを花弁に蓄積する紫色の形質転換キクの作出法

タイトル デルフィニジン型アントシアニンを花弁に蓄積する紫色の形質転換キクの作出法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 2006~2009
研究担当者 野田尚信
間竜太郎
岸本早苗
石黒加奈子
田中良和
大宮あけみ
発行年度 2009
要約 異種植物由来のフラボノイド3',5'位水酸化酵素遺伝子(F3'5'H)を花弁特異的発現プロモーターを用いて発現させることにより、花弁にデルフィニジン型アントシアニンが蓄積し、花色が紫色に変化した形質転換キクを得ることができる。
キーワード キク、花色、アントシアニン、デルフィニジン、フラボノイド3'、5'位水酸化酵素、遺伝子組換え
背景・ねらい キクには多彩な花色があるが、紫や青といった青色系は存在しない。そこで、消費者の多様なニーズに応えるとともに、新たな需要を喚起するために、青色系のキクを作出する。キクには、紫色や青色の発色を担うデルフィニジン型アントシアニンを合成するのに必要となるフラボノイド3',5'位水酸化酵素遺伝子(F3'5'H)が存在しない。そこで、他の植物種から取り出したF3'5'Hをキクに導入して機能させることにより、デルフィニジン型アントシアニンを花弁に蓄積するキクを作出する方法を開発し、キクに紫や青といった新たな花色形質を付与することを試みる。
成果の内容・特徴
  1. F3'5'Hに花弁特異的発現プロモーターであるキクF3Hプロモーターと翻訳エンハンサーを組み合わせることで、花弁にデルフィニジン型アントシアニンを蓄積させることができる(表)。
  2. 特に、カンパニュラ由来のF3'5'Hを導入した場合に、キクの舌状花弁に含まれるアントシアニンに占めるデルフィニジン型の割合が最高で、約80%になった形質転換キクが得られている(表、図)。
  3. 舌状花弁に含まれるアントシアニンのうち、デルフィニジン型アントシアニンの割合が高い形質転換キクでは、花色がもとの赤色から紫色へと変化しており、これまでにない花色を持つ形質転換キクを作出できる(図)。
成果の活用面・留意点
  1. デルフィニジン型アントシアニンの含有率が同等であっても、遺伝子導入に使用する品種・系統によって花色が異なる。
  2. 植物種の由来が異なるF3'5'H間で、キク花弁でのデルフィニジン型アントシアニンの合成および蓄積に差があるため、最適なF3'5'Hを遺伝子導入に用いる必要がある。
  3. アントシアニン含有量が低く、淡い花色の品種・系統を用いることで、より青みのある花色のキク形質転換体が得られると考えられる。
  4. 紫色よりも青い花色にするためには、花弁のアントシアニンを全てデルフィニジン型にするだけでなく、芳香族アシル化やコピグメントの制御を行う必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024344
カテゴリ カンパニュラ きく 品種

この記事は