タイトル |
細粒グライ土田畑交互利用圃場の土壌生産力の変化 |
担当機関 |
秋田県農業試験場環境部施肥改善科 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1988~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 秋田県内にもっとも広く分布する水田利用の細粒グライ土では、土地改良などにより
グライ層の位置が次第に低下しつつあり、それに伴う地力的変化、とりわけ水田の畑利用を 行った場合に大きな地力低下が懸念されるため、田畑の交互利用における作物生産性、 土壌の地力的変化について検討した。
- 畑経歴の異なる田畑輪換圃場の土壌について、小型ポット利用のヒエ栽培試験を行った
結果、畑年数の長い土壌ほど乾物重、Nの吸収量が少なく、養分供給能が低下していることが あきらかであった。
- 田畑1年交互利用、2年交互利用の影響を水田連作に比較すると、水稲の生産性は1年交互利用で
高く、短期交互の有利性が認められる。畑作(スイートコーン)の場合は1年利用よりも 2年利用の場合の収量性が高く、畑連続の有利性が認められた。
- 1年交互、2年交互のあとの土壌の分析結果についてみると、T-Cの場合水田連続>1年交互
>2年交互>畑連続の順に低下しており、地力要素としての腐植の保持のためには短期交互が 有利であることを認めた。また堆肥多投、ゼオライト施用などの土壌改良により、T-N、 乾土効果などの低下が防止されていることから田畑輪換においてはこの種の 土壌改良対策が必要であることを認めた。
表1 小型ポット試験 表2 田畑交互利用と作物の収量 表3 田畑交互利用3年目の土壌分析結果 - 技術・情報の適用効果
- 細粒グライ土の田畑輪換圃場においては、田畑の交互利用のために、水田連続とは異なる
様相で地力低下が進むことが想定されるが、交互利用の年数の調整、土壌改良処理などに より、地力の低下を防止し、水稲、畑作物のいずれでも高い生産性が維持される。
- 適用の範囲
県内細粒グライ土地帯
- 普及指導上の留意点
- 田畑輪換圃場の土壌の変化の把握
- 有機質資材の量の確保
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010024049 |
カテゴリ |
水田
土壌改良
ひえ
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