家族労働力を主体とするレタス基幹経営の借地拡大の効果

タイトル 家族労働力を主体とするレタス基幹経営の借地拡大の効果
担当機関 岩手県立農業試験場
研究課題名
研究期間 1987~1990
研究担当者
発行年度 1990
成果の内容・特徴
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    近年、急速に生産が伸びた県北部野菜産地におけるレタスを基幹とする野菜専作経営
    (3ha以上層)の特徴を類型別に整理し、産地を担っている家族労働力を主体とする
    3ha前後層の借地による規模拡大の改善効果を明らかにした。
    1. 類型と特徴
      レタスを基幹とする野菜専作経営(3ha以上層)は、経営構造の違いから、家族労働力を
      主体とする3ha前後層(5ha未満層)と雇用労働力に依存する5ha以上層に類型化される
      (表1)。
      3ha前後層は経営耕地が比較的小さいことから、初期段階では土地利用率を高める
      ことで作付面積の拡大に努めているが、効率的に作業を進めることが優先して、
      適正な投資基準を上回った機械・施設への投資がみられるので、適正な操業度の
      確保が望まれる。しかし、現状の経営耕地では、レタス年2作の作付面積を多くする
      必要から、7月までの収穫面積を拡大することになる。このことは7月の労働時間の
      増加を招き、家族を主体とする労働力では対応が困難である。また、長期的経営面
      からも経営展開のうえで限界がある。
    2. 3ha前後層の借地による規模拡大の効果
      1. 土地利用に余裕が生ずることから、作型毎の面積調整が容易になる。事例
        (表2、図1)は、
        借地拡大による経営改善の方向を示唆しているが、7月までの収穫面積を前年並に
        確保し、8月以降収穫の播種面積を増加したことから、7月の労働時間は前年を上回り、
        臨時雇用を増やしている。7月の労働ピークを軽減し、余裕のある期間の労働力を
        活用するためには、7月の収穫面積を減らし、6月前半と8月以降の収穫面積を増やす
        ことが望ましい。
      2. 年2作面積を減らすことが可能となり、地力維持対策も容易になることから、
        長期的に経営の安定・維持が図られる(表2)。
      3. 労働力、土地利用面で無理のない作付拡大が可能になり、機械・施設への投下額が
        経済的に許容される水準まで、収益を向上することができる
        (表2、3)。
      なお、5ha以上層まで拡大する場合は、経営構造が大きく変化することから、(1)
      男子農業従事者を2名は確保すること、(2)雇用は季節的な常雇の形態が必要と
      なること、(3)男子専従者による作業分担、トラクタ作業の専用化が必要となり、
      新たな投資を要すること、(4)雇用労働依存割合が高くなり、経営管理の一層の向上が
      求められることに留意する必要がある。
  2. 技術・情報の適用効果
    レタス産地の中核を担う家族労働力を主体とする層の経営安定、発展とともに、
    産地の維持・拡大が図られる。
  3. 適用の範囲
    岩手県中北部畑作地帯、3ha以上5ha未満のレタス基幹経営
  4. 普及指導上の留意点
    1. 家族労働力の状況にもよるが、5ha未満であっても、面積拡大に伴い、臨時雇用の
      拡大が必要になる。
    2. 投資限界額算出に当り、機械・施設費、地代については全てレタスで負担した。
      また、農家受取価額は作型別作付面積、県が示している指針等(作型別単収、手数料率、
      出荷諸経費)、東京都中央卸売市場の旬別平均単価から求めた。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023939
カテゴリ 規模拡大 経営管理 出荷調整 地力維持対策 播種 レタス

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