タイトル |
メッシュ気候図によるイネ葉いもち病全般発生開始期の平年値推定 |
担当機関 |
福島県農業試験場 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1986~1988 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
イネ葉いもち病の流行過程には全般発生という状態があり、その開始期は地域に おける葉いもち初発期である。散布剤による葉いもち防除は全般発生開始期から 1週間以内が安定しているとされる。そのため一般には発生予察情報を用いて 全般発生開始期を把握して散布時期を決定すればよいが、散布日を事前に確定する 航空散布の場合はそれが不可能である。また、葉いもち対象に水面施用剤を行う 場合には施用適期が初発10日前であるため、平年の初発日を事前に知っておく必要が ある。しかし、細かい地域別には初発期はほとんど知られていない。本研究は、 1Km四方に細分されたメッシュ毎の平年最低気温16度Cの出現日から10日後を 全般発生開始期としてメッシュ地図を算出したものであるが、葉いもち初発生時期の 地域別差異にほぼ合致することが分かった。これを利用することによって、それぞれの メッシュ毎の水面施用剤の施用適期あるいは葉いもち対象の航空散布の実施適期が 推定できる(図1)。
- 技術・情報の適用効果
本技術により、メッシュ毎に平年の葉いもち全般発生開始期が推定できるので、 地域別に葉いもち対象の水面施用剤の適用時期が把握できる。また、葉いもち対象の 航空散布の実施適期が明らかとなるので、防除効果と防除効率が高まり、経済性の 向上が期待できる。
- 適用の範囲
福島県内(病害虫防除所、普及所等指導機関)
- 普及指導上の留意点
推定値の検証は福島県内に限定されるため、他の地域では別に有効性の確認を行う 必要がある。この推定法は従来の発生予察技術では適用が困難な防除体系、すなわち 葉いもち対象に水面施用剤を利用する体系、あるいは葉いもち対象の航空散布実施日を 設定する場合に有効であって、発生予察情報を利用できる防除体系をとる場合には 適さない。福島県における検証の結果、平坦地では推定よりも全般発生が 遅れやすく、大型河川の流域や谷あい地では適合性が高い。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023752 |
カテゴリ |
いもち病
病害虫防除
防除
予察技術
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