クワシロカイガラムシ抵抗性遺伝子MSR-1を識別するアレル特異性の高いe-RAPD

タイトル クワシロカイガラムシ抵抗性遺伝子MSR-1を識別するアレル特異性の高いe-RAPD
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2002~2006
研究担当者 谷口郁也
田中淳一
発行年度 2003
要約 開発したe-RAPDにより、クワシロカイガラムシ抵抗性チャ品種‘さやまかおり’に由来する抵抗性遺伝子MSR-1の有無を識別することができる。当DNAマーカーはアレル特異性が極めて高く、‘さやまかおり’後代の集団であれば交雑組合せをほとんど選ばず実用的に使用できる。
キーワード チャ、e-RAPD、クワシロカイガラムシ抵抗性、MSR-1、アレル特異性、DNAマーカー
背景・ねらい
 クワシロカイガラムシは、薬剤がかかりにくい樹冠内部に生息し防除適期がふ化幼虫時代に限定される等、チャの典型的な難防除害虫であり、本害虫の防除のため通常の2.5~5倍の薬剤が茶園に散布されている。これは生態系の乱れを引き起こし、新たな病害虫の多発の原因となるばかりか、“クリーンな茶”という強い消費者ニーズに反するものであり、根本的な対応が急がれる。チャ品種‘さやまかおり’由来の抵抗性遺伝子MSR-1を識別できる実用的なDNAマーカーを開発し、チャ育種への応用を図る。
成果の内容・特徴 1.
MSRS8Eはクワシロカイガラムシ抵抗性品種‘さやまかおり’の抵抗性遺伝子座MSR-1の有無を識別できるe-RAPDである。
2.
MSRS8EはOPAX11A(塩基配列:5’-TGATTGCGGGA-3’)およびOPAX11TG(塩基配列:5’-TGATTGCGGGTG-3’)をプライマーとして図1の条件のPCRより得られる約300塩基長のバンドである(図2)。
3.
MSRS8EはMSR-1に相引に連鎖し、‘さやまかおり’およびその後代以外の品種・系統からはほとんど検出されない(アレル特異性が高い)。
4.
‘さやまかおり’と‘金-Ck17’の正逆交雑集団46系統中MSRS8Eが検出される27系統全てが抵抗性強または中、同様にMSRS8Eが検出されない19系統全てが抵抗性弱または中である(表1)。
5.
‘さやまかおり’の後代のチャ系統適応性検定試験供試系統中で、抵抗性ありと判断されたすべての系統からMSRS8Eが検出され、抵抗性なしと判断されたすべての系統からはMSRS8Eが検出されない(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
MSRS8Eは‘さやまかおり’のクワシロカイガラムシ抵抗性を対象としたものであり、‘みなみさやか’等の抵抗性品種の後代では使用できない。
2.
現在のところ、緑茶用品種の交配母本として有力な素材の中で‘さやまかおり’またはその後代でないにもかかわらずMSRS8Eが検出されるのは、‘金谷13号’とその後代に限られる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023555
カテゴリ 育種 害虫 くり 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 DNAマーカー 品種 防除 薬剤

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