施設栽培長段トマトにおける日吸水量の気象要素による推定

タイトル 施設栽培長段トマトにおける日吸水量の気象要素による推定
担当機関 (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2000~2001
研究担当者 細井徳夫
細野達夫
発行年度 2001
要約 施設(ガラス温室)栽培の長段トマトの日吸水量は、葉面積指数が1.5以上では、気象要素(飽差、日射、気温、)を説明変数とする重回帰式で精度良く推定できる。
キーワード 施設栽培、長段トマト、吸水量、蒸散量、飽差、日射、気温
背景・ねらい 近年、潅水同時施肥(養液土耕)法の普及などにより、施設栽培における適切な潅水量決定方法の必要性が増している。施設圃場における水分消費の大部分を占める、作物による吸水量を把握あるいは推定することが、潅水量の決定において重要である。施設長段トマト栽培について、気象要素からトマトの吸水量を推定し、潅水量決定の目安とする。
成果の内容・特徴 1.
吸水量推定式の作成に用いた基礎データは、ガラス温室で養液栽培された長段トマトで得られたものである(表1)。
2.
葉面積指数が1.5以上の長段トマトによる一日の吸水量(10aあたり)は、気象要素を説明変数とする重回帰式(回帰式)により推定できる(表2)。1変数の場合、温室内飽差、2変数の場合は屋外日射量と温室内気温、3変数の場合には屋外日射量,温室内気温および温室内飽差を含む式が最も寄与率が大きい(表3)。なお、空気の乾燥度を表す飽差は、気温と湿度から計算する。
3.
推定式により計算される吸水量を潅水量決定の参考にする場合、気象要素の測定値を用いるので、土壌水分や生体情報を利用した潅水量決定法に比較して、代表性(温室全体の植物の吸水量を代表している)、安定性(センサの値が安定している)の面で利点がある。
成果の活用面・留意点 1.
地下部に保持可能な有効水分量(保水量)が植物の1日の吸水量に比較して十分に大きい場合には、得られた推定式を用いて当日の吸水量を推定し、その分だけ翌日潅水する、という方式で潅水量決定の参考にできる。
2.
潅水量決定の際、土壌面(培地面)からの蒸発量が大きい場合には、それを別途見積もる必要がある。
3.
屋外の日射量を用いているので、施設の光透過性によって、得られた回帰式の中の日射にかかるパラメータの値は異なると考えられる。
4.
吸水量推定式は、根にあまりストレスのかからない循環式の養液栽培で得られた結果であり、当該環境における最大の吸水量に近いと考えられる。土耕栽培(あるいは種々の培地を用いた養液栽培)で、根にストレスがかかっている場合には吸水量はそれよりも少なくなると予想される。
5.
通路幅や栽植密度の影響、品種の影響、トマト以外の作物の場合などについて、さらに情報が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023455
カテゴリ 乾燥 施設栽培 施肥 トマト 品種 養液栽培

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