クモヘリカメムシの太平洋側の分布北限と気象要因

タイトル クモヘリカメムシの太平洋側の分布北限と気象要因
担当機関 福島農総セ
研究課題名
研究期間 2006~2008
研究担当者 松木伸浩
三田村敏正
平子喜一
田中一裕(宮城学院女子大)
渡邊朋也(中央農研)
浦川慶子(宮城防除所)
加進丈二(宮城古川農試) 
発行年度 2008
要約 斑点米カメムシの一種であるクモヘリカメムシの太平洋側の分布北限は、宮城県南部であり、福島県では太平洋側と内陸南部の一部に生息している。本種の分布域は、1月下旬の最高気温(準平年値)が4.5℃以上の地域と推定される。
キーワード 斑点米カメムシ、クモヘリカメムシ、分布北限、気象要因
背景・ねらい クモヘリカメムシは、斑点米カメムシの一種であり、東北南部から西日本まで広く生息している。
生物の分布北限を制限する大きな要因は気候であり、その中でも冬の温度が最も重要と考えられる。また、近年の温暖化現象に伴い、本種の分布域の拡大が懸念される。そこで、本種の分布域を明らかにし、冬期の気象要因との関係を解析する。
成果の内容・特徴
  1. 宮城県・福島県におけるクモヘリカメムシ分布域は、宮城県南部、福島県の太平洋側と内陸南部の一部である(図1)。
  2. 城県・福島県のアメダス観測所(計45 地点)の付近で、クモヘリカメムシが分布していると推察される地点は、11カ所である(図2)。
  3. 各アメダス観測所付近のクモヘリカメムシ分布の有無と気象要因を用いてロジスティック回帰分析を行った結果、1月下旬の最高気温(準平年値)が最も回帰式に適合する(表1)。
  4. 1 月下旬の最高気温とクモヘリカメムシ分布のロジスティック回帰曲線から、y=0.5の値は4.5℃である(図3) 。
  5. クモヘリカメムシの分布域は、1月下旬の最高気温が4.5℃以上の地域であると推定される(図2) 。
成果の活用面・留意点
  1. クモヘリカメムシ分布域は、福島県病害虫防除所(1974年以降)と宮城県病害虫防除所(1973年以降)等のすくい取り調査により、本種が複数年確認された旧市町村(1996年当時)とする。
  2. クモヘリカメムシの分布域と1月下旬の最高気温が適合した理由として、本種休眠個体は、越冬期間であっても生存するために吸水・摂食を行う必要があり、一定以上の気温が要求されるためであると考えられる。
  3. 福島県内陸北部は1月下旬の最高気温4.5℃以上の地域であるが、実際は分布していない。これは、福島県と宮城県の県境付近は山林が多いといった地理的障壁によりクモヘリカメムシが侵入していないものと推察される。
  4. 本結果が、クモヘリカメムシの分布域と適合するのか他の地域について検証する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023421
カテゴリ カメムシ 斑点米カメムシ 病害虫防除

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