麦類を用いたリビングマルチ大豆栽培の抑草メカニズムと麦類の生育の目安量

タイトル 麦類を用いたリビングマルチ大豆栽培の抑草メカニズムと麦類の生育の目安量
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2008
研究担当者 好野奈美子
小林浩幸
内田智子
島崎由美 
発行年度 2008
要約 麦類を用いたリビングマルチ大豆栽培では、大豆の草冠完成前に、麦類が乾物重で大豆の3倍程度に生育して被蔭力を高め、雑草の生育を抑制する。十分な抑草効果が得られる麦類の生育量の目安は、播種後50日時点で乾物重150g/m2、葉面積指数3.0程度である。
キーワード リビングマルチ、大豆、大麦、小麦、光競合
背景・ねらい 麦類によるリビングマルチ大豆栽培は、秋播き性の麦類品種を大豆と同時に播種し、大豆より初期生育が旺盛な麦類によって地面を被覆して、慣行栽培の大豆と同じ畦間、裁植密度を維持しながら雑草を防除する技術である。主要畑雑草の生育は相対日射量が10%以下になると著しく抑制されると考えられているが、麦類がどのように群落内の日射量を低下させているのかが明らかにされていないため、麦類の生育目標が未だ定まっていない。そこで、リビングマルチによる抑草が十分な圃場において、大豆-麦類-雑草の競合の様相を捉えることで、麦類による抑草効果のメカニズム及び麦類の生育量の目安を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. リビングマルチ大豆栽培では麦類は大豆よりも旺盛な初期生育を示し、播種後50日時点では、乾物重で大豆の3倍、葉面積指数(LAI)で5倍程度となるが、大豆の乾物重及びLAI はともに慣行栽培と比べて大差ないので(図1)、群落全体としての被蔭力は著しく高まる。
  2. リビングマルチ大豆栽培では播種後50日に、地表面の相対日射量が圃場の全面にわたって10%前後になる。一方、慣行栽培では相対日射量が10%前後になるのは大豆の株元のみで、他の位置では10%以下にならない(図2)。
  3. リビングマルチ大豆栽培では、麦類の被蔭により雑草は乾物重が慣行栽培の中耕培土を行った後と同等かそれ以下になり、植物体は徒長する傾向がある(図1、2)。
  4. リビングマルチによる抑草効果が十分な圃場では、播種後50日時点の麦類の乾物重は150g/m2以上、LAIは3以上である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. リビングマルチ大豆栽培の導入にあたって、確保すべき麦類生育および群落発達の目安となる。
  2. この成果は東北地方への適用を想定しており、他の地域への適用はさらに検証を行う必要がある。
  3. 播種後50日は、南東北で適期に大豆を播種した場合、播種直後に散布した土壌処理剤の残効がきれた後から大豆の草冠が完成するまでの中間の時期にあたる。
  4. リビングマルチ大豆栽培では、大豆はリビングマルチによって若干生育を抑制され、また、大豆は徒長する傾向にある。しかし、大豆の生育は後半に回復する傾向にあり、慣行比で8割程度の収量は確保できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023314
カテゴリ 大麦 小麦 雑草 大豆 土壌処理 播種 品種 防除

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