ジュンサイ黒変現象の解明と黒変除去による品質向上技術の開発

タイトル ジュンサイ黒変現象の解明と黒変除去による品質向上技術の開発
担当機関 秋田県農林水産技術センター
研究課題名
研究期間 2003~2007
研究担当者 戸枝一喜
山田幸樹( 旧山本町農林課)
杉本勇人
塚本研一
発行年度 2007
要約 ジュンサイは、気温の高くなる時期に若葉周辺が黒く変色することがあるが、この原因物質の一つは鉄イオンである。キレート作用のある有機酸等で黒変除去が可能である。
キーワード ジュンサイ、黒変現象、鉄イオン、キレート作用
背景・ねらい ジュンサイはスイレン科に属する多年生水草で、自然環境の良い池、沼、潅漑用ため池などに自生しているほか、水田を改築した特殊田(ジュンサイ田)で栽培されており、秋田県、特に山本郡三種町(旧山本町)で生産量が多い。ジュンサイは表面が透明なゲル状粘物質で覆われた幼葉と、それに隣接する茎が食用になり、晩春から夏にかけて収穫される。しかし、気温が高くなる時期にジュンサイの若葉の周りが黒くなるという問題を抱えており、この黒くなったジュンサイは食感や味に変化はないが、市場で敬遠されるため商品価値がなく、廃棄処分される。生産量の50%が廃棄されていると推測され、その損失は大きい。そこで、ジュンサイ黒変の原因を解明し、黒変の除去による品質向上技術の開発をねらいとする。
成果の内容・特徴
  1. 多くのポリフェノールは鉄と結びつくことで青紫から黒色を呈することが知られている。生ジュンサイは加工ジュンサイの約3 倍のポリフェノールが含まれている(表1)。加工ジュンサイは加工工程の主に水洗工程でポリフェノール等が除去されることから、生ジュンサイでの黒変は鉄イオンとジュンサイのポリフェノールが結びつくことが原因であると推定される。
  2. 黒変のない生ジュンサイの鉄濃度が0.4 ppm であったのに対し、黒変した生ジュンサイの鉄濃度は3.5 ppm と9 倍近く高い。このことから生ジュンサイにおける黒変の原因物質の一つは鉄イオンである(表2)。
  3. 黒変ジュンサイはpH 2.8 以下の塩酸溶液で黒変除去が可能であるが、独特の食感を持つゼリー状物質が壊れ、幼葉が黄色に変色するなどのダメージを受ける。ゼリー状物質が壊れないpH で黒変を除去するためには、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸塩、グルクロン酸、アルコルビン酸、EDTA・2Na などのキレート剤(各10 mmol / L をジュンサイの5倍量添加)が黒変除去効果に優れ、正常の生ジュンサイと同等の品質に改善される(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 食品の処理であるため使用するキレート剤としてはリンゴ酸、クエン酸等の有機酸が望ましい。
  2. ジュンサイ田で栽培中の黒変除去は過大な処理コストを要するため、実際には収穫後に行われる洗浄処理時に黒変除去操作を行う。
  3. 効果的にジュンサイの黒変を除去するためには、黒変がジュンサイ全体に拡がる前に黒変除去操作を行うことが望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023216
カテゴリ 加工 コスト じゅんさい 水田 りんご

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