夏秋トマト不織布ポット栽培におけるかん水効果と品種の特性

タイトル 夏秋トマト不織布ポット栽培におけるかん水効果と品種の特性
担当機関 岩手農研
研究課題名
研究期間 2005~2006
研究担当者 高橋拓也
土田典子
発行年度 2006
要約 夏秋雨よけトマトの不織布ポット栽培において、慣行のかん水量基準に対し1.5倍量の377L/株のかん水を行うことにより果実数と商品割合が増加し増収する。「桃太郎なつみ」では平均糖度5.5、商品果収量1,000kg/a以上を得ることができる。
キーワード 夏秋トマト、不織布ポット栽培、かん水効果、品種特性
背景・ねらい 水稲育苗施設の有効利用として、果樹大苗生産用不織布ポットを利用した簡易隔離トマト栽培が岩手県南を中心に導入されている。作型分散に加えて施設内土壌の影響を受けないなど有効であるが、定植期が遅いことに加えて乾燥の影響を受けやすいことなどから通常の雨よけ栽培よりも単収で劣ることが問題となっている。そこで、トマトの不織布ポット栽培における安定化技術の確立を目指し、かん水の効果やそれに伴う品種の特性について検討を行う。
成果の内容・特徴
  1. 不織布ポット栽培では培土が乾きやすく、慣行のかん水量基準(盛夏時3L/株/日、総量253L/株)では収量が800kg/a以下となるが、1.5倍量のかん水(盛夏時4.5L/株/日、総量377L/株)を行うことにより、商品果の個数が増加し、商品果収量で「桃太郎8」では10%以上、「桃太郎なつみ」では40%近く増収する(図1、表1)。
  2. 各障害果の発生割合は品種間差が大きいが、かん水量を1.5倍とすることにより規格外果(120g未満の小果)と尻腐れ果の発生割合がやや減少し(表2)、商品果収量は増加する(表1)。
  3. かん水量を増加させることにより糖度は、「桃太郎8」では平均5.9から5.7へ、「桃太郎なつみ」では平均5.7から5.5へと減少するが、標準的な糖度は確保できる(表3)。
  4. 業務用途に向く「ビットゼリー」は、大玉で、糖度も「桃太郎8」に次いで高いが、果数が少ないことと裂果及び空洞果の発生割合が高いことから収量で劣る(表1、表2、表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験では、不織布ポット栽培導入現地の栽培管理マニュアルを慣行とし、かん水及び施肥を行った。a当たり施肥量は、慣行かん水区、1.5倍量かん水区とも、窒素2.8kg、リン酸1.6kg、カリ3.7kgとした。なお、本技術を実際に適用する場合は、気象条件や生育、使用する培地の種類などにより、適宜調整する必要がある。
  2. 本試験では、水稲育苗後に栽培を開始することを想定して5/26に定植を行った。また、ポットは点滴チューブの滴下穴に合わせて30cm間隔、条間を180cmとし、鉢上げ前に摘心し2本仕立て栽培とした。
  3. 果樹大苗生産用不織布ポットは「J-master R25」(容量10L)、培地には「トマトバック栽培用培土」を使用した。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023109
カテゴリ 育苗 乾燥 栽培技術 障害果 水稲 施肥 トマト 品種

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