コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV)の病原型の発生実態

タイトル コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV)の病原型の発生実態
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 大藤 泰雄
兼松 誠司
石黒 潔
八田 浩一(九州沖縄農研)
発行年度 2005
要約 WYMVの3つの病原型の中、I型は岩手県南部から福岡県に、II型は岩手県以北に、III型は福岡県に、それぞれ発生している。
キーワード コムギ、縞萎縮病、抵抗性育種、WYMV、病原型
背景・ねらい
コムギ縞萎縮病は、コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV)を病原とする土壌伝染性のウイルス病害であり、抵抗性品種の利用が有効な防除手段である。国内のWYMVには病原性の異なる病原型(I∼III型)が存在しており、病原型に応じた抵抗性品種の育成が必要である。しかし、これら病原型の国内における発生状況は明らかではなかった。
そこで、それぞれの地域向けの抵抗性品種育成に資するために、国内の主な縞萎縮病発生地に存在するWYMVの病原型を明らかにする。

成果の内容・特徴 1. 北海道から福岡県に至る国内の主要な縞萎縮病発生地24地点およびコムギ品種育成場所の縞萎縮病抵抗性検定圃場4地点から採取されたWYMV株の病原型は、接種試験における判別品種の反応から既報のI∼III型(表1)に類別される。
2. I型株は、岩手県南部から福岡県まで発生している。岩手県内の1地点を除きその発生域は、II型に抵抗性をしめす品種「農林61号」、「フクホコムギ」の栽培歴のある地域とほぼ一致する。II型株は、岩手県、青森県、北海道に発生している。III型は、福岡県に発生している(図1)。
3. III型株は、判別品種「フクホコムギ」に対する病原性に関してはI型と同等であるが、九州の主力抵抗性品種「シロガネコムギ」と「チクゴイズミ」の抵抗性遺伝子源と推定される品種「シラサギコムギ」および「関東107号」に対して、壊死斑を伴う激しい黄化モザイク症状を引き起こし、I型より強い病原性を有する(表2)。「関東107号」「シラサギコムギ」由来と推定される抵抗性を持つ品種を作付けしている地域では、今後同様の抵抗性の崩壊に注意を要する。


成果の活用面・留意点
1. 発生地に存在する病原型と検定圃場の病原型の関係が整理されたことは、検定圃場での選抜により抵抗性品種を育成する際の抵抗性遺伝子源選択の参考になる。
2. 判別品種は抵抗性品種育成の母本として、また抵抗性の遺伝分析の材料として利用できる。
3. 本成果における病原型の類別は、人工気象下での汁液接種による検定で行われるものである。病原型及びその検定方法は、平成11年度研究成果情報(東北農業)P93-94による。
4. 抵抗性品種栽培地は発病株が得られていないため、上記発生調査対象とはなっていない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010023018
カテゴリ 育種 萎縮病 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性検定 抵抗性品種 品種 防除 モザイク症

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