地場における短角牛肉購入者の牛肉消費行動の特徴

タイトル 地場における短角牛肉購入者の牛肉消費行動の特徴
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 佐藤百合香
大橋めぐみ
発行年度 2005
要約 地場の短角牛肉購入者は、霜降り肉志向と国産赤肉志向とに大別される。いずれも、おいしさに加え、産地が身近であることの安心感から短角牛肉を購入しているが、用途が焼肉に偏る前者は値ごろ感に、用途が広い後者はジューシーさへの不満が高い。
キーワード 地場、短角牛肉購入者、霜降り肉志向、国産赤肉志向、安心感、用途、不満
背景・ねらい
牛肉の安全性に対する関心が高まるにつれ、短角牛肉の購買層は拡大傾向にあるが、枝肉流通のもとでは需要部位に不均衡が生じやすい。そこで、部分肉流通のマーケットとして重要性を増しつつある地場消費に着目し、消費の特徴等に関する短角牛購入者のグループ間比較から、地場(岩手県内)での販売ターゲットを検討するうえでの知見を得る。

成果の内容・特徴 1. 牛肉消費に関する意識の4調査項目の結果をクラスター分析(ウォード法)した結果、地場での短角牛肉購入者は、「霜降り肉志向」グループ(霜降り肉志向が強く、今後牛肉料理のレパートリーや購入量の増加といった消費拡大に積極的)と、「国産赤肉志向」グループ(赤肉、国産志向が強く、消費拡大に消極的)に大別される(表1)。
2. 短角牛肉の購入理由(複数回答)では、いずれも「美味しい」が70%強を占め最も多いほか、霜降り肉志向では、「産直品」「県産品」「銘柄牛としては安価な国産牛」「信頼できる店が販売」(各32%)、国産赤肉志向では「産直品」(45%)が上位を占める。図1に示すように、全般的に放牧や国産飼料への志向は強いが、放牧や輸入飼料の使用量の少なさを購入理由にあげた割合はいずれのグループも10%に満たない。
3. 牛肉の用途は、霜降り肉志向で焼肉に偏るのに対し、国産赤肉志向でバラエティに富んでいる。この傾向は短角牛肉の用途でも同様である(図省略)。
4. 短角牛肉への評価をみると、「軟らかさ」「値段の手ごろさ」「ジューシーさ」において不満度が高い傾向にある(図2)。これら3項目をグループ別にみると、霜降り肉志向でいずれも平均不満度が高い。項目別では国産赤肉志向が「ジューシーさ」、霜降り肉志向が「値段の手ごろさ」で不満者比率が50%前後にのぼる(図3)。


成果の活用面・留意点
1. 日本短角種は、一般に誕生年の夏期に数ヶ月間、山間地で放牧され、その後出荷までの14ヶ月間ほどは舎飼いとなる。餌は放牧期間が牧草、畜舎での肥育期間が主に濃厚飼料と粗飼料(主に牧草)である。短角牛肉は、赤肉を特徴としている。
2. 霜降り肉志向での短角牛肉の需要は、焼肉に適したおいしさや漠然とした安心感が背景にある。需要拡大に向けては、他の肉用牛と比較した飼養方式等の利点やその安全性の具体的なPRと共に、現行の枝肉流通による需要部位のアンバランスを解消し、一般家庭向けに安価な部位が流通し易くなるよう部分肉流通を推進する必要がある。一方、国産赤肉志向は用途に偏りがなく幅広い部位の需要が見込めるため、「ジューシーさ」に対する不満をカバーできるよう、肉質や部位に応じた多様な調理法の普及が需要拡大に不可欠である。


URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010022993
カテゴリ 出荷調整 消費拡大 需要拡大 肉牛

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