肥効調節型肥料を利用した促成イチゴの低コスト高設栽培

タイトル 肥効調節型肥料を利用した促成イチゴの低コスト高設栽培
担当機関 岩手農研
研究課題名
研究期間 2003~2004
研究担当者 千田 裕
浅沼一也
発行年度 2005
要約 促成イチゴの高設栽培において、肥効調節型肥料(ロングトータル180日タイプ)の元肥全量施肥により、低コストなイチゴ高設栽培が実現できる。この場合、発泡スチロール式栽培槽の方が、ハンモック式栽培槽より収量性が高く、点滴かん水施肥とほぼ同等の収量が得られる。
キーワード イチゴ、高設栽培、低コスト、肥効調節型肥料、発泡スチロール式
背景・ねらい イチゴ高設栽培は作業性改善や土壌病害回避等の目的から、本県でも導入が進んでいるが、初期投資額が大きいことが普及の妨げとなっている。一方、関東以南のイチゴ産地では不織布等によるハンモック式栽培槽において、肥効調節型肥料を利用した低コストな高設栽培システムが普及している。そこで、寒冷地における高設栽培システムの低コスト化を図るため、肥効調節型肥料の適応性と本施肥法に適する栽培槽を検討する。
成果の内容・特徴
  1. ロングトータル180日タイプの元肥全量施肥では、発泡スチロール式栽培槽において、同肥料を株あたり窒素成分で4g施用することにより、従来の点滴かん水施肥とほぼ同等の収量が得られる(表1)。
  2. 商品果収量は、発泡スチロール式栽培槽の方が、ハンモック式栽培槽より多収となる(表1)。
  3. 発泡スチロール式栽培槽は平均培地温が高く、日較差が少ないことから、目標温度が確保しやすい(図1)。
  4. 本施肥方法により、液肥混入を制御する機器を省略することが可能となる。したがって、発泡スチロール式栽培槽を用いた場合には、従来の高設栽培(S社製)より約80万円の経費が削減できる。また、養液栽培用専用肥料を用いた場合より肥料費も削減できる(表2、3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果では、促成栽培用品種‘さちのか’を用いた。
  2. 肥効調節型肥料は、定植前に培地の表土と混和し施用する。
  3. 肥効調節型肥料の溶出を安定させるため、低温期は培地を15度C、ハウス内気温は8度Cを目標に加温することが必要である
  4. 同肥効調節型肥料の140日タイプでは肥効の溶出が早く、収量が安定しない傾向が見られるため、180日タイプを用いるのが望ましい(データ省略)。
  5. 本作型では、11月中下旬より3~4時間の電照を開始し、低温寡照時期の草勢維持を図ることが必要である。
  6. 本成果ではS社製の点滴かん水装置に対してコスト低減効果を検討しているが、他社製品あるいは自作装置については未検討である。また、肥料費のコスト低減効果は潅水量や施肥量によって増減する。
  7. 本成果では畑土と籾殻を4:1に混合した培地を使用している。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010022950
カテゴリ いちご 栽培技術 施肥 低コスト 品種 養液栽培

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