LAMP法による植物病原ウイルスClYVV、INSVの検出

タイトル LAMP法による植物病原ウイルスClYVV、INSVの検出
担当機関 岩手農研
研究課題名
研究期間 2005~2009
研究担当者 竹澤利和
臼井紀子
阿部潤
発行年度 2005
要約 クローバ葉脈黄化ウイルス(ClYVV)およびインパチエンスネクロティックスポットウイルス(INSV)について、感染植物からLAMP法によって検出するためのプライマーを作出した。
キーワード LAMP法、ClYVV、INSV
背景・ねらい 健全種苗の供給には原種苗が保有する病原の検定が必要不可欠であり、その検出には高感度でかつ現場でも対応可能な簡便な手法が求められる。近年、検出感度や特異性が高く、なおかつ簡便で迅速なLAMP法と呼ばれる遺伝子増幅技術が開発された。本研究では、りんどうなどにおいて感染が報告されているClYVVならびにINSVを、LAMP法によって検出する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. クローバ葉脈黄化ウイルス(ClYVV)およびインパチエンスネクロティックスポットウイルス(INSV)それぞれについて、外被タンパク質をコードする遺伝子配列から、LAMP法に用いるプライマーを設計した(非公開)。
  2. ClYVV、INSVそれぞれのプライマーを用い、ウイルス感染植物からの精製RNAを鋳型として表1に示した反応液を調製し、63度Cの恒温器で1時間反応させた。反応後の産物を電気泳動することで、目的ウイルスのみラダー状の増幅遺伝子が確認できた(図1)。
  3. ClYVV、INSVそれぞれのプライマーによる増幅産物を、増幅領域の一カ所だけを切断する制限酵素で処理すると、増幅領域の長さである約100bpに集約することから、それぞれのプライマーは目的遺伝子のみを特異的に増幅したものと推定できる(図2)。
  4. LAMP法の標準反応条件は、DNAを鋳型として60度C~65度Cの恒温器で1時間反応させることであるが、逆転写を含めて30分の反応時間、60度C~65度Cのお湯の入った魔法瓶中での反応、感染葉を浸した水などを鋳型とした場合などでも増幅され、反応条件の簡便化を図ることができた(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. ClYVVやINSVの高感度かつ簡易迅速な検出が可能となる。
  2. LAMP法では増幅領域が蛇腹状に増幅するため、増幅産物の泳動像がラダー状になるのが特徴である。
  3. 非常に高感度であるため、増幅産物DNAなどによるクロスコンタミネーションを回避する必要がある。そのため、試薬調製を行う場所、サンプル調製を行う場所、電気泳動など増幅産物を扱う場所は、それぞれ別の部屋で行うことが望ましい。
  4. 留意事項3より、電気泳動を行わない検出法が望ましいが、増幅の副産物であるピロリン酸マグネシウムの白濁を、目視によって検出することが現状では困難であるため、当面は電気泳動によるものとする。
  5. 開発したプライマーは今後も改良していく予定である。
  6. コンタミネーションの回避、増幅反応や検出法の簡便化など、現地での検出診断等を想定した至適条件については、今後さらに検討する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010022922
カテゴリ りんどう

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