リンゴ新品種「秋田紅あかり」の育成

タイトル リンゴ新品種「秋田紅あかり」の育成
担当機関 秋田果樹試
研究課題名
研究期間 1989~2001
研究担当者 丹波 仁
上田仁悦
佐藤 廣
佐々木美佐子
小林香代子
照井 真
加賀谷松和
発行年度 2005
要約 リンゴ新品種「秋田紅あかり」は10月下旬~11月上旬に収穫可能な大玉の晩生種である。鮮紅色の果皮に果点が浮かび上がる特徴的な外観を有し、糖度が比較的高く、冷蔵で翌2月下旬まで貯蔵可能であり、主要な一般品種と交雑和合性を示す。
キーワード 新品種、リンゴ、「秋田紅あかり」、晩生
背景・ねらい 「ふじ」に偏った品種構成を是正し、多様な消費者ニーズに対応できる新品種を育成する。
成果の内容・特徴
    1. 本品種は、果樹試験場内の台木試験ほ場から平成8年に発見された偶発実生であり、平成10年春から秋田14号として現地試験を開始し、同13年秋に育成を完了した。
    2. 平成14年3月、交雑親は両親とも不明のまま県職務育成審査会の承認を経て品種登録申請を行い、平成17年2月7日に品種登録された。
    1. 本品種は両親とも不明であるが、自家不和合性に関与する遺伝子型を調査した結果、S1とS2の存在が確認されたことから、本品種の成立には、S1の遺伝子型をもつ品種と、S2の遺伝子型をもつ品種の関与が予想される。
    2. 開花期は‘ふじ’とほぼ同一であり、満開175前後(暦日で10月下旬~11月上旬)に収穫期を迎える。
    3. 果皮が鮮紅色に着色し、果点が浮き上がる特徴的な外観を有する(図2)。
    4. 果実肥大は良好で、開花が遅れる県北部においても県南部と比較し差は認められない(図1)。
    5. 糖度が比較的高く、酸味が少ないことから、食味上甘味を強く感じる系統である。軽微な心かびの発生はみられるが、裂果等の果実障害は認められない(表1)。
    6. 冷蔵で2月一杯、常温で年内一杯貯蔵可能であり、貯蔵中に果皮にワックスが発生する場合がある。「ふじ」に比較し貯蔵中の果実硬度の低下は早いが、果汁が多く肉質も粉質化しないことから硬度値が示すほど食味の低下は感じられない。
    7. 「ふじ」や「つがる」、「千秋」、「王林」など、主要な一般品種と交雑和合性を示す。
    8. 結実後の早期落果および後期落果は、ともに認められない。
    9. 斑点落葉病に対して、「紅玉」並の抵抗性が認められる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. ‘ふじ’に偏重した晩生種の一部を更新するため導入を図る。
  2. 本品種を高接ぎ導入した場合、果実着色に同一樹内でのばらつきや年次変動がみられる場合がある。このため、高接ぎによる導入の際は、樹勢の落ち着いた樹に行い、接ぎ木後は枝先が水平より下がらない程度に誘引し花芽の充実を図る。
    また、高接ぎ後は、樹勢が安定するまで窒素施用量を減ずるか無施用とし、夏場の葉色を葉緑素計値(SPAD値)で45前後(葉中窒素レベル2.2%前後)に維持する。
  3. 本品種の配布は、今後数年間は秋田県内のみに限る。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010022893
カテゴリ 果実障害 新品種 高接ぎ 台木 接ぎ木 抵抗性 品種 良食味 りんご

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